和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年05月03日(金)

堆砂の除去計画を説明 島ノ瀬ダム流域保全連絡協が総会

2020年度の事業報告や新年度の事業計画を承認した南部川・島ノ瀬ダム流域保全連絡協議会定期総会(和歌山県みなべ町谷口で)
2020年度の事業報告や新年度の事業計画を承認した南部川・島ノ瀬ダム流域保全連絡協議会定期総会(和歌山県みなべ町谷口で)
 南部川・島ノ瀬ダム流域保全連絡協議会の定期総会が2月26日、和歌山県みなべ町谷口の生涯学習センターであり、ダム上流の南部川の堆砂の状況や、ダムの堆砂除去計画について説明があった。

 近畿農政局南近畿土地改良調査管理事務所が、ダム上流の穂手見橋から寒者橋までの9カ所で計測している2018年以降の堆砂の経過について説明。調査ポイントの断面積は、増加続きの場所や増えたり減ったりしている場所、減少が続いている場所など、さまざまであることを報告した。

 ダム堆砂対策計画については、穂手見橋付近の島之瀬と清川地区で、堆砂除去を計画しており、橋付近でボーリング調査したところ、河床から8メートル下まで砂利があること、来年度は河川管理者の県と堆砂対策について、町と搬出先について事前協議を計画していると説明した。いつから除去を始めるかは未定という。

 日高振興局は、ダム流域の崩落地は17年で30カ所確認しており、11年の大水害の豪雨が影響したものとみられるが、19年度の現地確認では、おおむね復旧事業などで対策が進んでいるとした。

 本年度創設した県の緊急浚渫(しゅんせつ)推進事業で、清川地区の南部川、新屋橋から出合橋にかけての付近で浚渫工事を発注しており、1180立方メートルの砂を浚渫すること、来年度予算でも上梶田橋付近で約800立方メートルを浚渫する計画であることを説明した。

 町は、みなべ川森林組合による間伐事業やウバメガシの植栽、森林環境譲与税を充てた森林経営管理制度で、森林所有者への意向調査を進めていることを報告した。

 21年度行動目標では、ダム上流の簡易堆砂計測、行動計画の精査、見直しなどを盛り込み、流域保全に先進的に取り組んでいる事例の収集や、南部川流域での関係団体の活動についての情報共有、連携についての検討を進めることにしている。