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2024年11月16日(土)

新宮城復元「早期着手」を 13団体が市長に要望

田岡実千年市長(手前右)に要望書を提出する榎本義清自治会連合会長ら=18日、和歌山県新宮市で
田岡実千年市長(手前右)に要望書を提出する榎本義清自治会連合会長ら=18日、和歌山県新宮市で
 和歌山県新宮市自治会連合会など13団体が18日、新宮城復元の早期着手を求める要望書を、田岡実千年市長に連名で提出した。城復元を巡っては、市が古写真などの資料を収集しようと2018年11月から懸賞事業を開始。期限は今年3月末までだが、今のところ、直接復元につながる資料や情報は寄せられていないという。

 熊野川の河口近くにある新宮城は1633年、紀州藩付家老・水野氏の城として完成。美しい石垣は残るが、建物は明治政府の廃城令を受け、1875年までにすべて取り壊された。

 要望書は、2017年に「続日本100名城」に選ばれたことや19年に「水野家入部400年記念事業」が開催されたことにより、復元への期待が高まっているなどと指摘。「早急に官民一体となった『新宮城再建委員会』等を組織するなど『新宮城復元』へ向けての取り組み」を始めるよう求めた。受け取った田岡市長は「市の主立った団体からの要望。しっかりと検討したい」と話した。

 市企画調整課によると、城跡は国史跡に指定されているため、復元には精度が高く良質な資料が必要。新宮城の建物についてはこれまで、写真も見つかっていない。

 懸賞事業では新宮城の天守や大手門、櫓(やぐら)の復元根拠となる古写真や設計図などを、懸賞金(最高総額1700万円)を設けて募集したが、今のところ寄せられた情報や問い合わせは7件。建物の配置を示した図などがあったが、すでに確認されているものであるなど、復元につながる新たな資料はなかったという。