和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

水野家の入部400年で記念事業 新宮市

多くの来場者が訪れた水野家入部400年記念事業のシンポジウム(和歌山県新宮市で)
多くの来場者が訪れた水野家入部400年記念事業のシンポジウム(和歌山県新宮市で)
 和歌山県新宮市で9、10の両日、「水野家と新宮城下町」と題し、江戸時代に新宮を治めた水野家の入部400年記念事業が開かれた。シンポジウムや新宮城への入場ウオークなどさまざまな催しがあった。

 9日には、同市春日の市役所別館で「水野家入部と新宮の発展」をテーマにシンポジウムが開かれ、約400人が来場。主催者を代表し、記念事業の実行委員長を務める田岡実千年新宮市長が「国指定の史跡である新宮城跡を中心に、新宮が歴史と文化のあふれる城下町であることをあらためて感じていただきたい」などとあいさつ。

 紀州徳川家19代当主の徳川宜子さん(63)=千葉県松戸市=が基調講演し、今年は紀州徳川家の祖である家康の十男・頼宣が紀州に転封されて400年の節目であることや歴代藩主について紹介。頼宣について「現代につながる紀州人の基礎を築いた人物」と述べ、和歌の浦の保全や交通路の整備など都市計画に力を入れたことや領民に道徳的な規範を示したことなどを挙げた。

 また、宜子さん自身が新宮の名誉市民・西村伊作が創設した「文化学院」で建築を学んだことにも触れ「新宮を身近に感じた。歴史・文化的な財産を皆さんで残されていこうという活動を一生懸命応援したい」と話した。

 続いて、水野宗家20代当主の水野勝之さん(75)=東京都=も基調講演。家康の母が水野家の出であることや、家康の側近であった水野重仲が頼宣の後見役となり、頼宣が紀州藩に移った際に新宮に入部したことなどを紹介した。

 このほか、「歴史を活(い)かしたまちづくり」をテーマに、徳川さんや水野さん、新宮水野家の子孫であるモニカ・水野・ベロイターさん(58)=ドイツ=、天満祥典・広島県三原市長、川口孝嗣・愛知県刈谷市副市長、田岡市長が参加したパネルディスカッションもあった。

 10日には、時代衣装を身に着けた新宮水野家ゆかりの人たちを中心とした一行が世界遺産の熊野速玉大社から新宮城跡へ入城するウオークイベントや城跡でのステージイベントなどさまざまな催しがあり、記念の年を盛り上げた。