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2024年12月19日(木)

熊野那智大社で鬼面札 節分準備、青岸渡寺の豆まきは中止

節分に向けて鬼面札を刷る熊野那智大社の神職ら(18日、和歌山県那智勝浦町那智山で)
節分に向けて鬼面札を刷る熊野那智大社の神職ら(18日、和歌山県那智勝浦町那智山で)
 節分(2月2日)に向け、和歌山県那智勝浦町那智山の世界遺産・熊野那智大社では、玄関などに張る災難よけのお札「鬼面札」を刷るなど準備を進めている。一方、隣接する那智山青岸渡寺では今年、新型コロナウイルスの感染予防対策として、豆まきは行わないことを決めた。

 熊野那智大社の鬼面札は、しめ縄の内に厄災の象徴である赤鬼と青鬼を閉じ込めた図の版画。半世紀前に、篠原四郎・元宮司が作った版木を使っているという。

 神職が那智の滝の水ですった墨を使って画仙紙(縦35センチ、横45センチ)に刷り上げたものに、みこが押印。節分までに約2千枚作る。

 節分当日に祈祷(きとう)を受けた参拝者に授けるほか、18日から社頭で授与(1枚800円)。「福枡」(1個1500円)も約350個作製。ともに郵送できる。

 権禰宜(ごんねぎ)の吉田遥紀さん(28)は「コロナ禍の収束を願いながら一枚一枚刷っている」と話していた。

 節分当日は午前10時からと午後1時から、感染予防対策を取りながら「節分祭鬼追い追儺(ついな)式」を営む予定という。

 青岸渡寺では毎年この時季、節分行事で行われる豆まきに使う「祝枡(いわいます)」を作っているが、今年は「堂内で何十人もの参拝者が密集してしまう」とし、豆まきを中止することを決めた。祈祷は受け付けるという。