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「人喜ばせるパン職人に」 毎日農業記録賞で優良賞

優良賞の賞状を手にする林愛純さん(和歌山県みなべ町芝で)
優良賞の賞状を手にする林愛純さん(和歌山県みなべ町芝で)
 南部高校(和歌山県みなべ町芝)食と農園科3年の林愛純さん(18)が、農や食、環境への思い、体験をつづる「第48回毎日農業記録賞」(毎日新聞社主催、農林水産省など後援)の高校生部門で優良賞を受賞した。

 高校生部門には全国から1383編の応募があった。優良賞は優秀賞、奨励賞に次ぐ賞で、優良賞以上は県内で1人だった。

 林さんの作文テーマは「パン屋さんが原点」で、パン作りを志すようになったきっかけ、高校生活の学びをつづった。希望がかない、地元のパン製造会社に就職が決まり、「人を喜ばせられるパン職人になりたい」と思いを膨らませている。

 作文では、いまの私があるのは、小さい時に母親の買い物についていき、パン店でガラス越しに見た、従業員のパンを作る姿が輝いて見えたことだったと振り返る。

 同校の食と農園科に進学し、実習で育てたトウモロコシが家族から「おいしい」と言われて達成感を味わったこと、2年時に新実習棟が完成し、待ちわびたパン作りができるようになったこと、敢闘賞になった梅料理コンテストでは、チームメートや周りの人と協力する経験を通じて成長することができたことを書いた。

 最後は、3年生になって学校生活は新型コロナの影響を受けたが、夢に向けて準備を整えているところで「幼い頃に見た従業員さんのようにキラキラとした人になります。私が見た原点を私が再現し、私を見てパン職人を目指してもらえるような技術を身につけていきます」とまとめた。

 今回の受賞が分かった日に、パン製造会社の内定の知らせも受けたという。

 林さんは「受賞に驚き、うれしい。食と農園科でパン作りの基礎を学ぶ中で、将来、自分が職人として作業するイメージを持つことができた。自分で考え、作ったパンを買って喜んでもらえるようになればうれしい。誰かを喜ばせられる職人になりたい」と話した。

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