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安全と経済で揺れる 海水浴場、新型コロナで分かれる対応

海水浴場の開設状況
海水浴場の開設状況
 新型コロナウイルスの感染を考慮し、全国各地で海水浴場の開設中止の動きが広がる中、和歌山県紀南地方では対応が分かれている。海水浴は夏の観光の目玉で、地元経済への影響が大きい。白浜町や串本町、那智勝浦町は感染防止策を徹底し、開設する。

 白浜町は23日、白良浜など町内3カ所の海水浴場を開設する。決断の背景には、町内の観光、商工団体からの強い要望があった。新型コロナの影響で、町の基幹産業である観光関連業は大打撃を受けている。「このままでは町の経済が立ちゆかない」と声が上がった。

 開設決定に際し、町は感染防止に向けたガイドラインを策定。3密(密集・密接・密閉)の状態を避けるために町や各団体が取り組む内容をまとめた。

 更衣室を設けないほか、イベントも開かない。開設初日のテープカット後、来場者が一斉に海へ飛び込む報道陣向けの〝見せ場”はない。開設前日の22日に関係者だけが白良浜に集い、期間中の安全を祈願するくらいという。

 白浜観光協会では毎年、ビーチパラソルや浮輪などを貸し出していたが、設置や撤去、消毒の必要が生じるため、今夏は販売に切り替える。

 町関係者によると、「海水浴客が感染したらどうするのか」など、海開きをすることへの反対意見も町内外から寄せられている。ガイドラインでは「田辺保健所管内で感染者が出た場合は海水浴場の閉鎖等について協議し、判断する」と記している。

 串本町は18日に2カ所を開設する。橋杭では駐車場の数を制限し、海水浴客が集まり過ぎないようにする。那智勝浦町は23日に2カ所を開設。那智では臨時のシャワーブースを室外に2カ所設け、利用者の分散を図る。

 田辺市やすさみ町は「密」を避けるのが難しいと判断し、開設を断念した。監視員の確保が難しいことも理由という。那智勝浦町の湯川、宇久井は来場者が少ないため、今年から開設中止が決まっていた。

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