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「たんすの中の標本」展示 白浜の南方熊楠記念館

南方熊楠が所有していたたんすの中の標本を展示している特別展(和歌山県白浜町の南方熊楠記念館で)
南方熊楠が所有していたたんすの中の標本を展示している特別展(和歌山県白浜町の南方熊楠記念館で)
 和歌山県白浜町の南方熊楠記念館は、特別展「熊楠のお宝展パート1―箪笥(たんす)のなかの鉱物・化石・貝類等」を開いている。9月9日まで。熊楠が使っていた二つのたんすに収められていた約5千点の標本を展示。自筆の天狗(てんぐ)の絵や友人に宛てた手紙など初めて展示する資料もある。

 熊楠が大切にしていた茶色と黒色の二つのたんすには、鉱物や化石、貝類、甲殻類、昆虫類、植物、菌類などの標本がぎっしり詰まっていた。今回、外部の専門家らの協力を得て、記念館の標本庫に保管していた資料を整理し、たんすの引き出しを復元することに成功した。

 熊楠が大学予備門時代に描いた「てんぎゃん(天狗)」の絵や友人に宛てた手紙は、いずれも引き出しの標本の下敷きになっていた。本人の虫歯やヒキガエルの標本などもあり、熊楠が興味や関心を持っていた新たな面を知ることができるという。

 高垣誠館長は「熊楠の研究は粘菌(変形菌)が有名だが、貝類、鉱物、昆虫など幅広い資料を残している。今回の展示を通じて熊楠の思いを感じ取り、すごさを知ってほしい」と話している。

 入館料は高校生以上600円、小中学生300円。開館時間は午前9時~午後5時。木曜休館。28~30日は休館、7月20日~8月31日は無休。来館者にはマスクの着用や手指のアルコール消毒を呼び掛けている。

 問い合わせは南方熊楠記念館(0739・42・2872)へ。

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