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観光施設も静かに再開 にぎわいはこれから

休館から再開した世界遺産熊野本宮館。感染予防のため、案内カウンターにはビニールの仕切りを設けた(1日、和歌山県田辺市本宮町で)
休館から再開した世界遺産熊野本宮館。感染予防のため、案内カウンターにはビニールの仕切りを設けた(1日、和歌山県田辺市本宮町で)
 新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が解除されたことなどを受け、和歌山県紀南地方では1日、多くの観光施設が営業を再開した。田辺市本宮町では、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の情報発信拠点である「世界遺産熊野本宮館」が約1カ月ぶりに開館。熊野川を運航する「川舟下り」なども再開したが、元のにぎわいが戻るには時間がかかりそうだ。

 熊野本宮館には、県世界遺産センターや熊野本宮観光協会、熊野本宮語り部の会の事務局などが入っているほか、世界遺産に関する展示も備えており、熊野を訪れた観光客の多くが立ち寄っている。

 4月25日から臨時休館に入り、それ以降は電話のみで対応。再開に当たっては、案内カウンターにビニールの仕切りを設けたり、滞在時間を減らすため映像コーナーの机といすを撤去したりといった対策を取った。

 熊野本宮館の狼谷亨次長(53)は「すぐに前のようにとはいかないと思うが、安心安全に配慮しつつ、お客さんに来てもらえるように頑張りたい」と話す。

 熊野本宮観光協会によると、ゴールデンウイークの際には協会加盟の宿泊31事業者のうちほとんどが自主的に休業していたが、1日現在、多くが再開。宿泊客の状況は「ちらほらと予約が入ってきているようだ」という。

 また、町内では世界遺産に登録されている湯の峰温泉の「つぼ湯」も再開。地元の人向けに午後5時~9時だけ営業していた公衆浴場も、同日から通常の時間帯(午前6時~午後10時)に戻った。

 早速、大阪府富田林市から訪れていた女性(55)は「湯の峰温泉が好きでちょくちょく通っていたので、今日を楽しみにしていた。新型コロナの状況を見ながら、これからも通いたい」と笑顔を見せた。

 「川の参詣道」として世界遺産に登録されている熊野川を運航する川舟下りも1日から営業を再開したが、予約が入っているのは現時点では7日からという。

 運営する新宮市の熊野川町ふれあい公社・熊野川川舟センターは「キャンセルが多く、6月の予約は今のところ2、3組程度。元の状態に戻るのには時間がかかると思う」と話している。

 田辺市では他に、熊野古道館(中辺路町栗栖川)や市観光センター(湊)なども営業を再開した。

 白浜町では、三段壁にある観光施設「三段壁洞窟」が1日、営業時間を短縮して再開した。

 感染拡大を防ぐため、地底36メートルへ向かうエレベーター(2基)は1組ずつの利用とするほか、検温も実施する。

 新藤正悟代表(35)は「ようやくという感じ。すぐに(観光客が)戻ってくることはないかもしれないが、感染対策を徹底し、徐々に利用が回復していくことを期待したい」と話した。

 白浜温泉街にある町営の「御船足湯」「柳橋足湯」「つくもと足湯」のほか、同町椿にある道の駅「椿はなの湯」も1日から営業を再開。はなの湯は浴場の利用が正午から午後8時までで、通常時より1時間短縮する。

 入場を県内在住者に限って営業を再開していた「アドベンチャーワールド」や「エネルギーランド」は、1日から県外在住者(首都圏の1都3県と北海道を除く)も受け入れている。

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