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羊毛フェルトの体験講座開講 女性限定の宿泊施設も

自宅の離れをリノベーションしたアトリエ(和歌山県田辺市龍神村福井で)
自宅の離れをリノベーションしたアトリエ(和歌山県田辺市龍神村福井で)
 和歌山県田辺市龍神村福井の羊毛フェルト作家、矢野玲子さんが宿泊を組み合わせた体験型講座(ワークショップ)を自宅で始める。宿泊の営業許可を受けて客室の準備などを進めており、4月に本格オープンさせる予定。

 羊毛フェルトは特殊な針とせっけん水を使い、毛を固定化して、デザインした形に仕上げていく手芸。人形やマスコットの他、ボール状にしたものをつなぎ合わせ、小物に仕上げる。

 矢野さんは日本で生まれ、父の仕事の関係で中国やイギリス、香港で暮らした。中国・北京では広告代理店でイベント関係の仕事をしていたが、羊毛フェルトの魅力にとりつかれ、資格を得てインストラクターに転身した。これまで作家活動、個人や団体に向けワークショップを開いてきた。

 日本に戻り、地方暮らしを求めて昨年1月、妹の瑞己さんと龍神村に移住。龍神村で開くワークショップの形として、遠方からの利用者が帰宅時間を気にせず、ゆっくりと創作に打ち込めるようにと、宿泊もできる形態を考えついた。

 自宅の日本家屋の離れをリノベーションした。和室の畳を床張りに変え、天井を高くして開放的な空間にして、体験で使うアトリエ(4・5畳)と客室(6畳)を設けた。

 宿泊は素泊まりで対象は女性のみ。1日1組限定(2人まで)。男性がいる場合や3人以上の希望者は、龍神村にある他の宿泊施設を手配し、ワークショップは日帰りで参加してもらう。

 製作するのはコースターやブローチ、アクセサリーなど。羊毛フェルトは時間がかかる手芸だが、滞在時間の長さを生かし、小さめのハンドバッグにも取り組めるとみている。

 人生の大半を海外で過ごし、日本語と英語、中国語を話す矢野さん。豊かな自然が残っている龍神での滞在は、インバウンド(訪日外国人客)にアピールできると感じている。

 矢野さんは田辺市が主催する「たなべ未来創造塾」を受講。他の受講生の起業計画やビジネスプランに触れながら、自らも龍神のまちづくりにアイデアを巡らせている。

 開業に際してホームページ制作に取り組んでおり、ワークショップの屋号を「布団&フェルティング」とした。矢野さんは「最初は『ゲストハウス』と呼んでいたけれど、少人数で、体験がメインであるというコンセプトを表現したかった。落ち着いた気持ちで作品作りをし、羊毛フェルトと龍神の魅力を感じてもらいたい」と話している。

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