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地元産イグサでカラフルな雪駄 白浜の井戸畳店が発売

地元産イグサを使った雪駄やカードケース(手前)と、井戸宏和社長=和歌山県白浜町で
地元産イグサを使った雪駄やカードケース(手前)と、井戸宏和社長=和歌山県白浜町で
 地域ブランドの畳作りに取り組む和歌山県白浜町の井戸畳店(井戸宏和社長)は、地元産のイグサを使った雪駄(せった)やカードケースを商品化した。畳の需要が減少し、市場が縮小する中、畳文化の良さを身近に感じてもらおうと開発。27日から、インターネットで先行予約販売を始めた。

 住宅の洋風化や安価な中国産の台頭などで、畳の原料となる国産のイグサ農家は減少している。

 危機感を持った井戸社長は、地産地消の畳を作ろうと2014年から、地元農家と協力してイグサの栽培に取り組んでいる。耕作放棄地を利用し、地元住民にも呼び掛けて収穫体験会なども開いている。

 畳以外にも手に取ってもらいやすい商品を開発しようと、18年には地元デザイナーらとプロジェクトを発足。イグサの香りから「inoca(イノカ)」と名付けたブランドを立ち上げ、販売に向けて取り組んできた。

 雪駄は「直接肌に触れて、畳の感触が感じられる商品を作ろう」と企画。48種類という豊富なカラーバリエーションが特徴で、女性用、男性用のほか、海外向けに大きなサイズも用意している。

 昨年3月にあった見本市「京都インターナショナルギフト・ショー」に試作品を出品したところ、来場者投票による「おみやげコンテスト」でグランプリを受賞した。今年1月にはフランスでの見本市にも出品し、好評だったという。価格は1万1800~1万4800円。

 ほかに、名刺入れとして使えるカードケースも商品化している。価格は5800円(いずれも税別)。

 井戸社長は「畳産業が直面している課題、手仕事の大切さ、イグサの効能など、商品開発に至った背景も含めて価値を感じてほしい」と話している。

 販売は6月15日から、同ブランドのサイトで始める。大手生活雑貨チェーンの店頭にも並ぶ予定。それに先駆けて2月27日から5月15日まで、大手クラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」で先行予約を受け付ける。商品は6月ごろ届ける。

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