和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

敬老福祉大会、取りやめ 25年度から、和歌山県みなべ町

和歌山県みなべ町役場
和歌山県みなべ町役場
 和歌山県みなべ町は、75歳以上の高齢者を対象に例年9月に開いてきた「敬老福祉大会」を、2025年度から取りやめる。理由について、山本秀平町長は12日にあった町議会3月定例会一般質問で、全国的に敬老行事が見直されていることや、参加率が低いことなどを挙げた。


 真造賢二議員(無)が、25年度一般会計予算案に同大会の事業費が計上されていないことから「高齢者の元気な様子に触れ、慰労する会を町が主催する意義は高い。楽しみにしている人も多い。継続してもよかったのでは」と質問したことに答えた。

 山本町長は「町のために頑張っていただいている皆さんへの感謝の思いはもちろんある。参加率の低さや公益性の観点から、昨年の合併20周年記念を区切りとして判断した」と述べた。

 町健康長寿課によると、同大会は旧町村時代から続けており、04年度の町村合併後は町内のホテルで飲食と演芸ショーなどのアトラクションを開いてきた。コロナ禍で20~22年度の3年間は中止し、代わりに祝い品として3千円分の商品券を贈った。23年度からは、同町東本庄の保健福祉センターぷららホールで、飲食はやめて再開した。ホテルで飲食付きで開いていた19年度までは対象者の3割弱が参加していたが、23年度の参加率は9%、24年度は13%だった。

 また、23年度に再開するかどうかの判断材料として、長寿クラブ(老人会)を通じてアンケートをしたところ、大会の再開や商品券配布を望む声があった一方、大会にかかる費用を「子育て支援に役立ててほしい」といった声も寄せられたという。

 24年度の同大会の事業費は約370万円だった。

■上下水道は、関係人口は 町議会一般質問

 12日の一般質問には、真造議員のほか5議員が登壇した。

 松下恭子議員(無)が女性模擬議会の開催を提案したことに対し、山本町長は「町主催での開催は現状、考えていない」と答えた。

 棒引清議員(無)は、遊休町有地について、宅地として売却できる所は売却することを求めた。これに対し、山本町長は宅地の確保は町の優先課題であり、特に山間地での宅地の確保を課題と捉えているとした上で「前向きに取り組んでいきたい」と述べた。

 玉井伸幸議員(無)はごみ出し支援について、1人暮らしや夫婦のみで暮らす高齢者が増えており、集積所までごみを出すのが難しい人が今後急増する可能性を挙げた上で、福祉の観点から町域全体をカバーする統一的な制度の必要性を訴えた。

 山本町長は「町による一定のルール作りも必要だと考えるが、町民一人一人の近隣への関心を高め、隣近所の支え合い、助け合いといった地域コミュニティーの醸成も重要。いきなり制度化というのではなく、まずは現状把握のために情報収集をしたい」と答弁した。

 細川安弘議員(無)は地域外の人材が地域づくりの担い手になることが期待されているとして、関係人口の創出拡大の取り組みについて町長の考えを問うた。

 山本町長は、繁忙期に都市部の人らが梅の収穫などを手伝う「梅収穫ワーケーション」などの関係人口創出に向けた取り組みは、一過性ではなく継続することが大切であり、そのためには見えてきた課題を解決する必要があるとした。課題として、町を訪れた人の滞在場所が少ないといった声や、南紀白浜空港から町までの交通手段が弱いといった声があると述べた。

 出口晴夫議員(無)は上下水道管の老朽化の現状と対策について質問。山本町長は、法定耐用年数の40年を超えた上水道管が23%あり、ここ3年で漏水により修繕をした件数は25件あったが陥没は発生していないとした。今後の対策として、経年劣化のリスクの高い水道管から順次更新をしていくが、まず、水道料金改定の要因となった東部配水池から接続されている基幹配水管の更新に着手する予定であると述べた。

 下水道管に関しては、法定耐用年数を経過したものはなく、老朽化による陥没事象は報告されていないとした。

公式SNS!フォローしてね!
友だち追加

アクセスランキング

趣味・娯楽

読者チャンネル

新着リリース

紀伊民報からのお知らせ