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高城中、最後の卒業生巣立つ 4月に上南部中と統合、和歌山県みなべ町

卒業生13人が卒業証書を受け取った(6日、和歌山県みなべ町滝で)
卒業生13人が卒業証書を受け取った(6日、和歌山県みなべ町滝で)
卒業証書を受け取る卒業生(6日、和歌山県田辺市龍神村安井で)
卒業証書を受け取る卒業生(6日、和歌山県田辺市龍神村安井で)
 和歌山県みなべ町内の3中学校で6日、卒業式が行われ、3年生計106人が学びやを巣立った。上南部中学校との統合によって本年度で閉校となる高城中学校(高台浩校長、27人)=同町滝=では、教職員や在校生らが最後の卒業生13人を送り出した。


 統合は生徒数の減少を受けて決まった。町は統合に向けて上南部中(同町東本庄)の校舎の一部を改修するなどしており、4月からは高城・清川地区の生徒を迎えて新しい「上南部中学校」として開校する。

 高城中の卒業式は同校体育館であり、井戸和彦教育長ら来賓や保護者が見守る中、高台校長から一人一人、卒業証書を受け取った。

 式辞で高台校長は「毎朝後輩たちに『おはよう』と気さくに声かける、素敵な3年生。どこに出しても恥ずかしくない立派な生徒たちに成長した。何事も恐れずさまざまなことに挑戦し続けてください」とエールを送った。

 在校生を代表し、2年生の西口紗愛さんが「たくさんの思い出が胸に刻まれている。体育祭を先輩方が盛り上げてくれたおかげで、最高の思い出をつくることができた。先輩の姿を手本にして、頑張っていきたい」と語った。

 卒業生を代表し、岡﨑秀翔さんは「文化祭では意見がぶつかり合うこともあったが、僕たちらしい発表ができ、大きな自信につながった。先生や家族の支えのおかげで成長できた。思い出を胸に、それぞれの道に進んでいきたい」と答辞を述べた。

 高城中は1947年度に開校してから、本年度を含めて計2228人の卒業生が巣立った。生徒数が最も多かった54、55年度には166人いたが、年々減少し、77年度には98人と初めて100人を切った。2014年度に清川中学校と統合。23度は28人、本年度は27人と、この2年間は生徒数が30人を下回っていた。

 町教委は、23年7月に両中学校の統合の是非を検討する「町立中学校の適正配置に関する検討委員会」の初会合を開いた。統合に肯定的な意見が多く「早く進めてほしい」との声が多数あったことから、同年9月の第2回の会合で統合を決めた。同年11月に「検討委員会」を「準備推進委員会」に切り替え、準備を進めてきた。

■20日に閉校式 生徒のパフォーマンス、餅まきも

 高城中学校の閉校式は20日午前9時半から、体育館で開かれる。

 校歌斉唱や学校長あいさつといった「式典の部」の終了後、「アトラクションの部」として、紀南交響楽団による校歌演奏、高城中学校の生徒によるパフォーマンス、餅まきがある。

 申し込みは必要ない。駐車場は校舎周辺かグラウンドが利用できる。

 問い合わせは、町教委教育学習課(0739・74・2191)へ。

■龍神中は18人巣立つ

 田辺市龍神村でも6日、唯一の中学校、龍神中学校で卒業式があり、18人(男子11、女子7)が学びやを巣立った。

 尾﨑佐和子校長は式辞で、学校行事などで卒業生が発揮したリーダーシップを振り返った。それぞれの道を歩む卒業生に「古里龍神の家族、地域の人の温かさを思い出しながら、広い世界で頑張ってほしい」とエールを送った。

 在校生を代表し、2年の渡瀬唯菜さんが「明るく、面白く、仲の良い皆さんのおかげで学校生活が楽しくなりました」と卒業生との思い出を振り返った。「皆さんの背中を追って私たちも頑張ります。どんな時もそれぞれの選んだ道を歩いていけるよう応援しています」と述べ、在校生全員で送る歌を歌った。

 答辞として卒業生の寒川愛斗さんが、1年生と2年生のそれぞれの良さを伝えながら教職員、給食調理員やバス運転手らに礼を述べた。「龍神中学校で過ごした日々はかけがえのないものになりました。中学校での素晴らしい思い出は忘れません」と、支えてくれた周囲への感謝で締めくくった。卒業生は歌を歌い、花道を退場した。

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