「子どもに創造力を」 和歌山県知事、教育の抜本見直し提言
岸本周平和歌山県知事は県庁であった県総合教育会議で「教育の在り方を抜本的に見直すぎりぎりのタイミング」と述べ、創造力のある子どもを育てることが大事だと主張した。これまでの教育については「大学を卒業する必要もない」と否定的で、県として高校卒業者の採用を増やしていきたい考えを示した。
知事や県教育委員らが教育行政課題について話し合う会議。20日に開かれ、岸本知事や下宏副知事、宮崎泉教育長、今西宏行福祉保健部長、島本由美共生社会推進部長と教育委員5人が出席した。
岸本知事は「今の学校の教育の在り方は本当にいいのか。受け身で、あらかじめ答えのある問いを解く訓練は百害あって一利なし。自ら問いを作る能力が必要とされている」と強調。「『前へ倣え』をしていたら、スティーブ・ジョブズは絶対生まれない。先生や親のルールの中で縛るのはいいかげんにしたらどうか。(枠から)はみ出す子を応援することが大事ではないか」と話した。
県立高校の校則についても「髪を染めてはいけない、ピアスをしてはいけない、靴下の色まで決めている。制服もどうかと思う」と述べ、生徒の自主性を尊重すべきだとの考えを示した。
自身が住んでいた米国では「30年前でも生徒は全く自由で、得意な分野を伸ばしていく教育だった」といい「これからは、組織に従順で、言われたことをてきぱきするような人は要らない。クリエーティブ(創造的)でイノベーション(革新)を起こす子どもをどう育てるかだ」と話した。
その上で、工業高校の卒業生は企業からの求人が引く手あまただと紹介。県立高校では「(普通科より、専門性を追究できる)専門学科を増やす方が、子どもの未来が開けるのではないか」と参加者に問いかけた。
教育委員からは「海外では好きなことを追究できるので、プロフェッショナルが生まれると思う。日本は学歴社会で、無難な思考が強いのは現実だが、専門分野を追究するのは一つの手」「AI(人工知能)やロボットの発達で、今の職業の多くはなくなる。新しい職業を生み出す力が要る。日本が国際社会で一定の地位を築くためには、覚えるだけではない教育が必要だ」「中学生がそこまで将来のことを考えて高校を選ぶのはなかなか難しい。とりあえず普通科、という子どもが多いと思う」などの意見があった。
■「やめたらいい」 全国学力テスト
岸本知事は「全国学力テストはやめたらいいと思っている」との考えも示した。
全国知事会でも廃止を強く主張しているとした上で「平均点を上げるため、県外では成績の悪い子を休ませたり、試験中に先生が答えを教えたりしている。そんなことしてまでやる必要はないと思う」と述べた。
会議ではこのほか、複雑化する児童虐待や不登校、いじめ、子どもが家族の世話をする「ヤングケアラー」などの問題について、教育と福祉が、連携して取り組む重要性なども議論された。
知事や県教育委員らが教育行政課題について話し合う会議。20日に開かれ、岸本知事や下宏副知事、宮崎泉教育長、今西宏行福祉保健部長、島本由美共生社会推進部長と教育委員5人が出席した。
岸本知事は「今の学校の教育の在り方は本当にいいのか。受け身で、あらかじめ答えのある問いを解く訓練は百害あって一利なし。自ら問いを作る能力が必要とされている」と強調。「『前へ倣え』をしていたら、スティーブ・ジョブズは絶対生まれない。先生や親のルールの中で縛るのはいいかげんにしたらどうか。(枠から)はみ出す子を応援することが大事ではないか」と話した。
県立高校の校則についても「髪を染めてはいけない、ピアスをしてはいけない、靴下の色まで決めている。制服もどうかと思う」と述べ、生徒の自主性を尊重すべきだとの考えを示した。
自身が住んでいた米国では「30年前でも生徒は全く自由で、得意な分野を伸ばしていく教育だった」といい「これからは、組織に従順で、言われたことをてきぱきするような人は要らない。クリエーティブ(創造的)でイノベーション(革新)を起こす子どもをどう育てるかだ」と話した。
その上で、工業高校の卒業生は企業からの求人が引く手あまただと紹介。県立高校では「(普通科より、専門性を追究できる)専門学科を増やす方が、子どもの未来が開けるのではないか」と参加者に問いかけた。
教育委員からは「海外では好きなことを追究できるので、プロフェッショナルが生まれると思う。日本は学歴社会で、無難な思考が強いのは現実だが、専門分野を追究するのは一つの手」「AI(人工知能)やロボットの発達で、今の職業の多くはなくなる。新しい職業を生み出す力が要る。日本が国際社会で一定の地位を築くためには、覚えるだけではない教育が必要だ」「中学生がそこまで将来のことを考えて高校を選ぶのはなかなか難しい。とりあえず普通科、という子どもが多いと思う」などの意見があった。
■「やめたらいい」 全国学力テスト
岸本知事は「全国学力テストはやめたらいいと思っている」との考えも示した。
全国知事会でも廃止を強く主張しているとした上で「平均点を上げるため、県外では成績の悪い子を休ませたり、試験中に先生が答えを教えたりしている。そんなことしてまでやる必要はないと思う」と述べた。
会議ではこのほか、複雑化する児童虐待や不登校、いじめ、子どもが家族の世話をする「ヤングケアラー」などの問題について、教育と福祉が、連携して取り組む重要性なども議論された。