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【動画】圧倒的な存在感 スズキ ソリオバンディットをおじさんリポーターが試乗

 スズキは、排気量1・2リットルの小型乗用車「ソリオ」と「ソリオバンディット」の仕様を一部変更して発売した。燃費性能に優れた新型エンジンを搭載。バンディットは、大型のミニバンのような迫力あるフロントマスクを採用した。

■新型エンジンを搭載

 ソリオは、軽のハイトワゴンを一回り大きくしたようなミニバン。全長、全幅、全高は3790×1645×1745ミリで、5ナンバーサイズの小型車(登録車)としては小柄。それでいて室内は広いので扱いやすい。

 今回の仕様変更(マイナーチェンジ)のポイントは(1)フロントマスクのデザイン変更(2)新型の3気筒エンジンを搭載(3)安全機能の充実―の3点。

 ソリオは水平基調のメッキバンパーにより、伸びやかで上品なイメージに仕上げられている。一方のバンディットは縦型の大きなグリルが迫力満点だ。

 パワーユニットは、従来の1・2リットル直列4気筒から、スイフトに搭載されている3気筒エンジンに置き換わった。従来のエンジンは最高出力91馬力、最大トルク12・0キロだったが、新型エンジンは82馬力、11・1キロとパワーダウン。しかし、エンジンの特性が低い回転で大きな力を出すように変更されており、日常の利用では扱いやすくなっている。また、燃費もガソリン1リットル当たり19・6キロから22・0キロ(WLTCモード)に向上している。

 全車がマイルドハイブリッドとなっており、モーターの出力は3・1馬力、最大トルク5・1キロ。アイドリングストップからの再始動をモーターが受け持つので、セルモーターの音がなく、静かでスムーズに発進できる。

 安全機能では、ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせた最新の「デュアルセンサーブレーキサポートⅡ」を採用した。車両、歩行者、自転車、自動二輪車を検知して、衝突の恐れがある場合には警報を出したり、自動でブレーキをかけたりする。交差点での出合い頭や右左折時の衝突防止をサポートするようになった。

 ソリオの上級グレードとバンディットには、電動パーキングブレーキを採用した。これにより、高速道路を設定した速度で走るアダプティブクルーズコントロール(ACC)に、渋滞で停止した際にブレーキをかけ続ける停止保持機能が加わった。同じく上級グレードとバンディットには、車線を変更する際に斜め後ろを走る車両を検知するブラインドスポットモニターと、後退時に左右から接近する車両を検知するリアクロストラフィックアラートを採用した。

■縦型グリルに変身

 試乗車はバンディット。マイナーチェンジ前のバンディットと並べると、大きく変身したことに驚く。旧バージョンはソリオの水平基調のグリルを立体的にし、にらみを利かせたようなヘッドライトと組み合わせていた。それに対して新バージョンは、分厚い縦型のフロントグリルを採用しており、2~3リットルクラスの高級ミニバンのような存在感を主張する。街中ですれ違ったら、思わず振り返ってしまいそうなほど個性的だ。

 外観に続いて新型のエンジンをチェックしてみよう。一番のポイントは、9馬力のパワーダウンが走りにどのように影響しているかだが、心配は不要だった。停止状態からの発進は、モーターのアシストにより、すっと押し出されるような感覚が伝わってくる。従来の4気筒から新しい3気筒エンジンになって振動や騒音が気掛かりだったが、新エンジンは3気筒と分からないほどスムーズに回る。特に低速域での力が強く、ゴー・ストップが多い街中で使いやすい。また、追い越しや高速道路の合流など、ある程度急な加速が必要なときの回転の上昇も軽やかだった。

 足回りはソフト。路面の補修跡やマンホールのふたなどを通過しても、ショックを上手に吸収してくれる。一回り大きな車に乗っているような乗り心地だ。それと引き換えに、カーブが続く道では重心の高さを感じ、無理な運転はできない。

■小柄なのに広い室内

 「軽自動車以上、ミニバン未満」というこのサイズは、ファミリー層に人気がある。ソリオシリーズはこの分野を開拓した車だ。車体が小さくて街中での取り回しがいいのに、室内空間は外観から想像できないほど広くて使い勝手がいい。

 リアシートは前後に165ミリスライドし、後部座席と荷室のスペースを調節することができる。シートを一番前に設定しても、身長172センチのリポーターの膝前には握りこぶし縦1個分の空間ができ、余裕を持って座ることができた。後ろに下げれば、楽々と足が組めるほどの広さだ。その場合、荷室の奥行きは550ミリから715ミリまで調節できる。また、前輪駆動車(FF)は荷室の床下にサブトランクを備えている。

 運転席と助手席との間には通路があるので前後の移動が可能。左右の空間が狭い場所に駐車した際に、後部のスライドドアから乗り降りするといった「裏技」もできる。

 【試乗車提供】スズキアリーナ田辺・田辺スズキ販売(田辺市下万呂567、0739・22・4416)



 リポーター 長瀬稚春=運転免許歴50年。紀伊民報制作部長

 データ(バンディット) 全長×全幅×全高=3810×1645×1745ミリ▽ホイールベース=2480ミリ▽車重=1030キロ▽駆動方式=FF▽エンジン=1197cc水冷3気筒DOHC、60kW(82馬力)/5700回転、109Nm(11.1キロ)/4500回転▽モーター=2.3kW(3.1馬力)1100回転、60Nm(6.1キロ)/100回転▽トランスミッション=CVT(自動無段変速機)▽燃料消費率=22.0キロ(WLTCモード)▽車両本体価格=230万3400円

存在感がある縦型のフロントグリルと個性的なバンパーを採用したソリオバンディット(和歌山県田辺市たきない町で)
存在感がある縦型のフロントグリルと個性的なバンパーを採用したソリオバンディット(和歌山県田辺市たきない町で)
1.2リットル3気筒エンジンの搭載により燃費性能が向上した
1.2リットル3気筒エンジンの搭載により燃費性能が向上した
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