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本音知って学級運営 心理テスト導入から10年、和歌山県田辺市教委

学校生活意欲アンケート結果(和歌山県田辺市立中学校)
学校生活意欲アンケート結果(和歌山県田辺市立中学校)
 和歌山県田辺市教育委員会は、子どもの本音や心の中を把握する心理テスト「Q―U」を全市立小中学校で使っている。簡単な質問に答えてもらうことで、一人一人の意欲や、クラスの状態を把握でき、不登校や「荒れ」の改善につながるといわれる。2015年度に開始して10年。クラス運営のツールとして浸透している。


 「クラスにいい人、すごいなと思う友達はいる?」「授業中に質問に答えたり、発言したりするのは好き?」「クラスにいたくないと思うことはある?」。Q―Uはこうした簡単な質問に4段階や5段階で回答してもらい、学校生活意欲と学級満足度を数値化する。

 田辺市では小学4年生から中学3年生を対象に6月ごろに実施。夏休み中に結果を分析し、2学期以降の学級運営に反映している。

 市教委によると、表面上は明るく振る舞っている児童生徒でも、学級内で認められていると感じることが少なかったり、不安傾向が強かったりする結果が出ることもある。そうした場合は個別に注視したり、面談したりしていじめや不登校の未然防止を図っている。

 学級運営についても、「管理が厳しくなっていないか」「まとまりがなくなっていないか」などを図表で確認し、見直すことがあるという。中学校では「担任とうまくいっているか」といった質問項目もあり、教師との関係も数値化される。

 Q―Uのデータから田辺市の小中学校の学級運営はおおむね落ち着いているが、意欲に個人差があり、人間関係が希薄なケースもある。学年が上がるほど、要支援群が現れやすいという。

 全ての子どもが認められる場面を設けたり、目立たない子どもに個別の声かけをしたりすることが改善対策になるとしている。

【Q―U】

 QUESTIONNAIRE(クエスチョネア)―UTILITIES(ユーティリティーズ)の略。楽しい学校生活を送るためのアンケートの意味で、学級集団の状態や、子ども一人一人の意欲、満足度などを測定できるとされる。

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