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防災テーマに交流 和歌山県田辺市で中学生

班ごとに分かれ、大人たちと意見を交わす中学生(20日、和歌山県田辺市東山1丁目の市役所で)
班ごとに分かれ、大人たちと意見を交わす中学生(20日、和歌山県田辺市東山1丁目の市役所で)
 和歌山県田辺市教育委員会は20日、同市東山1丁目の市役所多目的ホールで、市内の中学生が防災をテーマに交流する「ぼうさい未来学校」を開いた。市内14校の代表生徒約40人が参加して、東日本大震災体験者の話を聞いたほか、ワークショップを通して防災への学びを深めた。

 災害を生き抜く力を高めるとともに、主体性やコミュニケーション力、地域貢献の気持ちを高めてもらうことを目的に毎年開いている。

 ワークショップは、田辺市学社融合推進協議会の研修会と合同で開かれ、元宮城県石巻西高校校長の齋藤幸男さんが講師を務めた。避難所運営、学校支援、支援物資、地域医療など七つの班に分かれ、東日本大震災直後の現場で活躍した人からのビデオメッセージを視聴。災害発生後の課題と対応について班で意見を共有した後、自分たちが暮らす地域に置き換えて考え、課題やその対応についてまとめた。

 支援物資の班では、田辺地域で起こりうる「支援物資がきちんと届くのか」という課題に対し、解決法として「地域企業の連携や他県とのつながりを大切にする」という案が出た。

 震災当時、宮城県女川町の中学校に勤めていた佐藤敏郎さんと、小学5年で被災した経験がある雁部那由多さんから震災後の生活などについて講演も聞いた。雁部さんは19日、田辺市高雄中学校の生徒らを対象に同市の紀南文化会館でも講演した。

 新庄中学校3年の三浦小湖音さんは「講演では時間・方法・手段・想定の4条件が大事で、これらを行動につなげるのが大切だと学んだ。話し合いでは、解決法を考えるのは難しかったけど、他の人の意見を聞いて理解が深まった。自分たち中学生でもできることが意外と多いんだなと思った」と話した。

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