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地蔵寺大師堂など2件 新たに文化財に指定 和歌山県田辺市教委

地蔵寺大師堂
地蔵寺大師堂
仁和寺宮令旨(天真寺あて)=元禄3(1690)年8月4日
仁和寺宮令旨(天真寺あて)=元禄3(1690)年8月4日
 和歌山県田辺市教育委員会は、地蔵寺(田辺市上の山2丁目)の「大師堂・子安地蔵堂」と「地蔵寺文書」の2件を新たに市文化財に指定した。これにより、市指定文化財は125件となった。


 市教委によると、地蔵寺の大師堂は、闘雞神社の境内にあった松雲院の建物を1870(明治3)年に移築。1908(明治41)年に大改造を行ったことが、棟札などに記されている。江戸末期ごろに建築されたと考えられ、真言宗本堂建築の基本形を伝えている。

 子安地蔵堂は小規模な堂(約1平方メートル)で、様式から江戸後期の建築とみられる。良質なケヤキ材を使い、禅宗様式という独特な構造形式・意匠で統一され、精緻な形式をよく残している。

 地蔵寺文書は、1690(元禄3)年から1894(明治27)年までのものが現存。江戸中期以降の田辺領内の宗教史だけではなく、かつて闘雞神社の執行寺院として隆盛を誇った松雲院の状況を知る上でも、貴重な資料となっている。

 松雲院に関する資料は、仏堂や什物(じゅうもつ=日常に使う道具類)の一部が地蔵寺に移されたものの、神仏混交禁止やその後の混乱の中でかなりの数が失われたものと推察されることから、これらの文書群は貴重だという。

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