田辺市長、熊野の精神語る
和歌山県田辺市の真砂充敏市長は昨年末、若手職員らを対象にした研修で、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」について講話した。「信不信を選ばず、浄不浄を嫌わず」と全ての人を受け入れてきた熊野の精神と、その意義や価値について語った。
世界遺産登録20周年をきっかけに、改めて職員に熊野への理解を深めてもらおうと実施。オンラインも含め、約140人が聴講した。
真砂市長は、熊野古道を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に選ばれた理由について説明。自然崇拝の「熊野三山」、真言密教の「高野山」、山岳修験の「吉野・大峯」と、異なる三つの信仰の聖地がつながり、千年以上前から互いに影響し合いながら共存している地域は、世界に類がないと強調した。「人間は、歩くことによって自分を見つめ直したり、達成感を味わったりする。熊野古道を歩くこと自体に、文化的な要素がある」とも話した。
市の三偉人とされる、合気道開祖・植芝盛平(1883~1969)や博物学者・南方熊楠(1867~1941)にも言及。勝ち負けを競わない武道である合気道や、神社合祀(ごうし)反対運動に取り組んだ熊楠の思想は、熊野だからこそ生まれたのではないかと述べた。
最後に「熊野は千年以上前から、相反するものを同時に受け入れる『寛容の精神』を持ってきた」と話し、こうした考え方を知ることで「この地に住む私たちが地域に誇りを持ち、主体的にまちづくりに関わるということにつなげてほしい」と語りかけた。
世界遺産登録20周年をきっかけに、改めて職員に熊野への理解を深めてもらおうと実施。オンラインも含め、約140人が聴講した。
真砂市長は、熊野古道を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に選ばれた理由について説明。自然崇拝の「熊野三山」、真言密教の「高野山」、山岳修験の「吉野・大峯」と、異なる三つの信仰の聖地がつながり、千年以上前から互いに影響し合いながら共存している地域は、世界に類がないと強調した。「人間は、歩くことによって自分を見つめ直したり、達成感を味わったりする。熊野古道を歩くこと自体に、文化的な要素がある」とも話した。
市の三偉人とされる、合気道開祖・植芝盛平(1883~1969)や博物学者・南方熊楠(1867~1941)にも言及。勝ち負けを競わない武道である合気道や、神社合祀(ごうし)反対運動に取り組んだ熊楠の思想は、熊野だからこそ生まれたのではないかと述べた。
最後に「熊野は千年以上前から、相反するものを同時に受け入れる『寛容の精神』を持ってきた」と話し、こうした考え方を知ることで「この地に住む私たちが地域に誇りを持ち、主体的にまちづくりに関わるということにつなげてほしい」と語りかけた。