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被告、改めて関与否定 ドン・ファン殺害 覚醒剤は「購入頼まれた」

和歌山地裁
和歌山地裁
 「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家・野崎幸助さん(当時77歳)を殺害したとして、殺人罪などに問われている元妻の須藤早貴被告(28)の第20回公判が11日、和歌山地裁であった。被告人質問で弁護人から「あなたが用意した覚醒剤を(野崎さんの)口から摂取させたと言われているが」と質問され、須藤被告は「一切ありません」と答えた。

 「老人 完全犯罪」などと検索していた点については「昔からグロテスク、不気味な事件を調べるのが好きだった」と述べた。弁護人は、野崎さんと知り合う以前にも「猟奇殺人」などと須藤被告が検索していたことを確認していた。

 須藤被告は、8日の第19回公判では、野崎さんから「覚醒剤でも買ってきてくれないか」と言われてインターネットサイトを見て電話で注文したと述べた。

 「冗談だと思ったが、20万円を(2018年4月1日に)渡された」とも説明した。18年4月7日に電話で1グラムを注文し、翌8日午前0時ごろ、野崎さん方近くで売人と会って、10万円を払って商品を受け取ったという。購入したものは野崎さんに渡したが、後日の夕食時に「にせもん(偽物)や」「もうお前には頼まん(頼まない)」と言われた、と語った。

 野崎さんが亡くなった18年5月24日、夕方から夜にかけて何度か野崎さん方の1階から2階へ行ったことについて「(野崎さんに)目薬をさしに行った時」や「バスローブを探している時」などとして、この時間帯の行き来は「日常茶飯事で、覚えていない」とも説明した。

 18年5月6日に野崎さんの愛犬が死んでから、野崎さんは憔悴(しょうすい)しており「『死にたい』と言っていた」とも語った。

 検察側は「犯行時間帯は午後4時50分ごろから8時ごろまでで、この間は被告と野崎さんしかおらず、被告は少なくとも8回、1階から2階へ上がっている」と主張している。

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