俳優の渡辺謙がディズニー映画『ライオン・キング―ムファサ―』（12月20日公開）の超実写吹替版で“キロス”役を務めることが明らかになった。21日に都内で発表イベントが行われ、同じく“ムファサ”役の歌舞伎俳優・尾上右近も登壇。この日は、渡辺の65歳の誕生日。右近からのプレゼントとして、2頭の白い獅子が登場し、縁起の良いパフォーマンスで、誕生日と渡辺のディズニー作品初参加を祝福した。

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　同映画は、アニメーション版『ライオン・キング』（1994年）の超実写版として2019年に公開された『ライオン・キング』の第2弾。前作の主人公シンバの父、ムファサの若き日を描いた“はじまり”の物語。幼いムファサが王の血筋をひくタカ（若き日のスカー）と出会い、兄弟の絆で結ばれるようになる。そんなムファサとタカの前に、強大な敵キロスが現れた時、過酷な冒険の旅が始まる。王になるはずだったタカがのちにムファサやシンバの宿敵となる“スカー”と呼ばれるようになった経緯が明らかになる。

　自宅で子どもたちに見せるために、ディズニー映画の数々のレーザーディスクを所有していたという渡辺。「素晴らしいエンターテインメント、楽曲、映像はもちろん、必ずそこに人生のアイロニー、無常観、底辺に流れるヒューマニズムがディズニー作品の魅力だと思う」と熱弁。そんなディズニー作品の中でも屈指の人気を誇る本作で初参加がかなったことについては「お呼びがかからなかっただけなので、うれしい。ディズニー作品は必ず本国スタッフによるオーディションがあって、久しぶりにオーディションを受けました」と、照れ笑いを見せた。

　オリジナル版では、マッツ・ミケルセンがキロスの声を担当しており、「マッツは独特で素晴らしい俳優なので、キロスをどう捉えて演じたのか非常に興味を持ちました」と渡辺。

　今回はヴィラン側のキャラクターだが、「キロスのいる群れは社会的に疎外されている立場にいて、ただの悪役ではない。正義と悪がきちっと分けられていた方がいいのかな、と思ったんですが、マッツは微妙なところを狙って演じていた。ストーリーテリング上の役割はもちろんあるけれど、キロスの存在自体が非常に不思議で、まるで存在していないかのような、そういう役をつくり上げていた。僕はそれに乗っかって演じました」。天才音楽家リン＝マニュエル・ミランダによる新しいミュージカル曲は「アフリカのビートのきいた、ノリのいい音楽なんですが、つかみどころがなくて難しかった」と収録を振り返っていた。

　ステージ上から獅子舞の演舞を間近で見た渡辺は「迫力がありますね。劇中でムファサとキロスが対決するシーンを思い出すくらい迫力がありました」と大絶賛。また、特注のケーキも用意され、盛大に祝っていた。

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