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早期発見、駆除を 外来カミキリ 和歌山県がみなべ町で対策研修会

クビアカツヤカミキリの成虫(和歌山県提供)
クビアカツヤカミキリの成虫(和歌山県提供)
モモの枝のミンチ状フラス(和歌山県提供)
モモの枝のミンチ状フラス(和歌山県提供)
 和歌山県は16日、梅やモモなどの木を食害する特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」の対策研修会を、みなべ町谷口の町生涯学習センターで開いた。紀北や紀中では被害が拡大しており、県の担当者は「紀南ではまだ見つかっていないが、いつ見つかってもおかしくない状況だ」として、早期発見・駆除の重要性を強調した。


 研修会には生産者や自治体、JAの担当者ら約60人が参加した。

 クビアカツヤカミキリの被害は、国内では2012年に愛知県で初めて確認された。和歌山県では19年11月にかつらぎ町で初めて確認され、紀北で被害が拡大。その後、御坊市で昨年5月に確認され、日高川町や由良町でも見つかった。今年に入ってからも有田川町、湯浅町、高野町、広川町で見つかり、被害の確認は13市町に上っている。

 県うめ研究所の裏垣翔野研究員は、クビアカツヤカミキリの生態と被害状況を説明した。

 紀北では8月末時点で、4市3町の農地で4240本、農地以外で272本の被害が生じている。

 クビアカツヤカミキリを見つけるポイントとして、成虫は5月下旬から8月の正午~午後3時に見つけやすいこと。幼虫が排出するフラス(木くずとふんの混ざったもの)は、オレンジ色から褐色をしており、うどん状やミンチ状のものが多いこと。フラスを見つけるには幼虫の活動時期である3月下旬から11月にかけての見回りが重要であり、特に春以降の4月~収穫時と秋以降の9月~剪定(せんてい)時の2回以上見回るよう求めた。「産地に被害を拡大させないためには、被害の早期発見が重要。疑わしいものでもかまわないので、見つけ次第、必ず最寄りの振興局やJAに通報してほしい」と強く訴えた。

 続いて、紀北の被害状況と防除対策について、伊都振興局農業水産振興課の職員が説明した。

 生産者はまず薬剤防除を徹底して被害密度を下げることが大切であるとした。幼虫を木から掘り出す「掘り取り」を徹底することや、成虫が木から出てくる「脱出予定孔」にタオルや木の枝を詰め込んで封じることを説明。被害樹をネットで覆う際には成虫の駆除が必須であることや、被害樹を伐採し、焼却や粉砕処理をすることを話した。

 那賀地域では「掘り取り」の徹底による効果があったとして、掘り取りの方法を詳しく説明した。

 日高振興局農業水産振興課の職員は、日高地域での被害状況と対策方針を話した。同地域の9月末時点での被害は、御坊、日高川、由良3市町の農地で162本、農地以外で21本の計183本であり、そのうち梅の被害が最も多く152本だったことを説明した。

 参加者からは質問が相次いだ。「クビアカツヤカミキリがまだ見つかっていない地域で、いまできる取り組みはあるか」との質問には「見回るのが一番。生産者からの通報で初めて見つかることが多い。生産者一人一人が、自分の畑は自分で守るという気持ちで、畑を見て回るのが一番だ」と答えた。

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