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伝統芸能 守りたい 町を越え獅子舞で交流、和歌山県の串本、すさみ

交流会で獅子舞を披露する和深祭礼実行委員会のメンバー(和歌山県串本町和深で)
交流会で獅子舞を披露する和深祭礼実行委員会のメンバー(和歌山県串本町和深で)
 和歌山県串本町和深の和深総合センターで24日、地元の和深祭礼実行委員会が獅子舞の交流会を開いた。すさみ町周参見の下地獅子舞保存会のメンバーを招いて踊りの細かな違いなどを語り合い、町を越えて交流を深めた。


 両会は、秋祭りが同じ日だったり、「古座獅子」が起源の獅子舞を舞っていたりと共通点がある。下地獅子舞保存会の稲葉久会長(65)によると、同会に和深が地元という会員がいたことがきっかけで、和深の獅子舞を見る機会があった。若い人が多く、一生懸命取り組む姿が刺激になったという。

 2017年ごろから交流が始まり、互いの稽古場を訪れたり、同年にはすさみ町江住の道の駅「すさみ」で「共演会」を開催したりして獅子舞を披露し合ってきた。新型コロナの影響で、数年間は交流ができていなかったが、今年ようやく復活した。

 この日、和深総合センターに下地獅子舞保存会のメンバー約10人が訪問。和深祭礼実行委のメンバーが「幣の舞」「神宮の舞」「剣の舞」「天狗(てんぐ)」などを披露した。

 獅子舞を見た稲葉会長は「全体的な流れは似ているが、細かい所作に違いがあった。祭りをやっていると井の中の蛙(かわず)になってしまう。自分たちが最高と思うのは良いが、少し外に視野を広げたとき、再発見につながった」と話した。

 和深祭礼実行委の深海成郎会長(52)は「他所の祭りを見に行くことはなかった。今まではライバル意識みたいなのもあったが、人も減ってきて文化を残したいという気持ちが強くなっている。見ると必ず刺激をもらえるし、お互いのクオリティーも上がると思う。他の祭りには必ず自分たちより勝っている部分がある。そこを見習い、進歩していきたい」と語った。

 秋祭りは10月12日に宵宮、13日に本祭が営まれる。和深は八幡神社、周参見は王子神社である。

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