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高校生が思いのせ ロケットの町・和歌山県串本で打ち上げ、缶サット甲子園

紙製ロケットの打ち上げ準備を進める串本古座高校の生徒たち(和歌山県串本町潮岬で)
紙製ロケットの打ち上げ準備を進める串本古座高校の生徒たち(和歌山県串本町潮岬で)
串本古座高校のロケットから分離した後、パラシュートで落ちてくる基盤入りのペットボトル
串本古座高校のロケットから分離した後、パラシュートで落ちてくる基盤入りのペットボトル
 高校生が「缶サット」と呼ばれる模擬人工衛星を搭載した紙製のロケットを打ち上げ、その技術力を競う「缶サット甲子園2024」の和歌山地方大会(実行委員会主催)が7、8の両日に和歌山県串本町であった。県内外から11校が参加。それぞれが考えたミッションを達成するためのアイデアを積んだロケットが、本州最南端の上空へ飛んだ。

 理工系の楽しさや魅力を感じ、科学や工学への興味・関心を高めてもらおうという企画。各校のロケットは長さ数十センチ~1メートルで、火薬の力で3秒で上空80メートル前後へ飛んだ後、逆噴射の勢いでパラシュート付きの基盤が降下、着地した。

 地元の串本古座高校からは、CGS(地域包括的支援)部ロケット班(13人)が参加した。農業や山火事などの際に農薬や水を放出できないかと考え、ロケットに水風船1個を積んで飛ばした。ロケットは真っすぐ飛び出し、狙い通りに基盤と水風船が放出した。

 発案者は、本年度に開設された宇宙探究コース1年の渡部拓宙さん(16)。同コースができると知って千葉市から進学してきた。和歌山には森林が多く、農業が盛んだと知って提案した。ロケット班の皆で分担して今年5月から準備を進めてきたという。

 渡部さんは「完璧な打ち上げで、水風船もきれいに放出することができた。皆で協力して、イメージが現実になったのはうれしい」と笑顔をみせた。

 大会では、各校が掲げたミッションを達成できたかどうかをプログラミングの専門家ら3人が審査。事前、事後のプレゼンテーションも踏まえ、1~4位を決めた。この中から、来年2月に和歌山市で開催予定の全国大会への推薦校が決まる。

 1位は缶サット内部で水の電気分解に挑戦した甲陽学院高校(兵庫県西宮市)。2位は芦屋国際中等教育学校(兵庫県芦屋市)、3位は尼崎双星高校(兵庫県尼崎市)、4位は桐蔭高校(和歌山市)だった。

 大会実行委員長の藤木郁久・桐蔭高校教諭(54)は「高校生たちが真剣に取り組んでくれていて、うれしい。経験を生かしてほしいし、いろんな分野で活躍するきっかけになるといい」と展望を語った。

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