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「進入抑止の法整備を」 ロケット打ち上げ延期受け、和歌山県が国に要望

カウントダウンが過ぎても打ち上がらないロケットを心配そうに大型モニターを見守る観客(3月9日、和歌山県那智勝浦町浦神で)
カウントダウンが過ぎても打ち上がらないロケットを心配そうに大型モニターを見守る観客(3月9日、和歌山県那智勝浦町浦神で)
 和歌山県串本町田原の民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」で3月9日に初号機打ち上げが予定されていたが、警戒区域内に船舶が残っていたことで延期を余儀なくされたことを受け、岸本周平知事は10日までに、内閣府の高市早苗特命担当相(科学技術政策、宇宙政策など)に船舶の進入を抑止する法整備を要望した。

 事業者が人工衛星などを打ち上げるとき、内閣府のガイドラインにより、警戒区域の設定や、第三者が侵入している場合に中断することなどが求められている。しかし、現行の制度では強制力を持って進入を制限したり退去を命じたりする法的根拠がないという。

 県によると、打ち上げを予定していた「スペースワン」は3月9日、警戒船を出して警戒区域内に入らないよう呼びかけていたが、第三者の船が残留していたため中止。延期された同月13日は警戒船を増やして対応し、打ち上げが実施された。

 岸本知事は6月10日の定例記者会見で「2030年代、年間20から30回の打ち上げが予定されるとなれば(このままでは)大変なことになるので法令根拠が必要」と要望の理由を説明。高市担当相からは「法令を作るのは時間がかかるので、ガイドラインの見直しを含めて対応したい」などと回答があったといい、法令ができるまでは、ガイドラインの見直しや運用徹底で対応したい考えを示した。

■子育て支援拡充も

 県は毎年この時期に、次年度の施策や予算について国に要望している。ロケット打ち上げ事業の円滑な実施に向けた環境整備のほか、子育て世帯への経済的支援の拡充や「防災・減災、国土強靱化(きょうじんか)」の継続的な推進、クビアカツヤカミキリの対策強化なども国に求めた。

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