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【動画】豊作願い「虫送り」 たいまつで水田かざす、和歌山県白浜町大古

 和歌山県白浜町大古で20日夜、豊作を願う「虫送り」の行事があった。地域住民ら約40人が参加し、たいまつの炎で水田をかざしながら歩いた。

 源平合戦で活躍した武士・斎藤実盛(さねもり)が乗っていた馬が、稲の切り株につまずいた時に討ち取られたため、実盛が害虫に化けて稲を荒らすようになった、という伝説に基づく行事。実盛の霊を鎮めるため、参加者は「実盛さまのお通りだ。虫もまなご(カメムシ)もおっとも(お供)せー」と声をかけながらたいまつを手に田んぼ沿いを歩く。平安末期に全国に広まったとされている。

 大古では、この行事を「おっとり」と呼んでいる。10年ほど途絶えていたが、2012年に大古区が復活させた。毎年7月の最終土曜に営んでいる。

 参加者は午後7時半ごろ、春日神社を出発。火を付けた缶をつるした竹ざおを手に老若男女が1列になって、約1キロの道を約30分かけて歩いた。

 行事を復活させた当時に区長だった前区長の冷水喜久夫さん(73)は「復活をきっかけに地域住民が地元に誇りを持ち、郷土愛が強くなってきているように感じる」と話した。



老若男女約40人が参加した虫送り(和歌山県白浜町大古で)
老若男女約40人が参加した虫送り(和歌山県白浜町大古で)
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