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三ツ矢サイダー140年 南紀白浜出身「中興の祖」中谷氏に脚光、和歌山

和歌山県白浜町大古にある中谷整治氏を顕彰する看板(アサヒ飲料提供)
和歌山県白浜町大古にある中谷整治氏を顕彰する看板(アサヒ飲料提供)
中谷整治氏などについて懇談する岸本周平和歌山県知事(左)とアサヒ飲料の清水博之・近畿圏本部長(右)ら=県庁で
中谷整治氏などについて懇談する岸本周平和歌山県知事(左)とアサヒ飲料の清水博之・近畿圏本部長(右)ら=県庁で
 アサヒ飲料(本社・東京都)は今年、炭酸飲料ブランド「三ツ矢サイダー」の販売開始から140年になるのを記念し、和歌山県と協力し「三ツ矢サイダー中興の祖」とされる白浜町大古出身の実業家、中谷整治氏(1870~1918)にスポットを当てたPR活動をしていく。

 同社によると、兵庫県で湧出する天然鉱泉を使った炭酸水を「平野水」として140年前に商品化。売り上げに苦戦する中、中谷氏が事業を引き継ぎ「三ツ矢平野礦泉合資会社」を設立。飲みやすく味を整え「三ツ矢シャンペンサイダー」として販売したり、母校の慶応大学の人脈を活用したりして、事業を拡大した。

 中谷氏の功績は社史に掲載されているが、出身地は記載されておらず、2年ほど前に白浜町で営業活動をしていた社員が地元で聞いて知り、調べて分かった。同社は中谷氏のことを含めた140年の歴史を紹介する漫画冊子を作製。イベントなどで配布するという。

 今後、同社が県などと協力し、白浜町を中心にPRを展開していく。南紀白浜観光協会と三ツ矢サイダーを使った「ご当地レシピ」の開発に取り組むほか、南紀白浜空港で21日と23日、羽田便(一部除く)と福島、岡山からのチャーター便の到着客に商品を配布する。道の駅「志原海岸」での催しなども検討しているという。
南高梅使い新商品
20日から販売


 同社は「三ツ矢サイダー」140周年のほか、別の炭酸飲料ブランド「ウィルキンソン」も120周年になることから、県産南高梅を使用し、県の協力で開発した両ブランドの新商品を20日から販売する。

 いずれも500ミリリットル入りペットボトルの「三ツ矢芳醇(ほうじゅん)南高梅」(税込み173円)と「ウィルキンソン タンサン ウメ」(119円)で、全国のスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで販売する。

 「ウィルキンソン」では、産地をアピールした商品は初めてで、5月下旬ごろまでの限定販売となる。「三ツ矢サイダー」ではこれまでも、リニューアルしながら県産梅を使用した県協力商品を販売。今回が13商品目で、通年販売する。

 同社の清水博之・近畿圏本部長らが県庁を訪問し、岸本周平知事に販売を報告。岸本知事は「中谷さんが白浜町出身ということは素晴らしいご縁。それがこれ(南高梅使用の商品販売)に結びついたと思う」と話した。

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