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開通予定 2年以上延期か 硬い岩やひび割れ対応、すさみ串本道路、和歌山

すさみ串本道路工事の課題への対応について話し合う関係者(28日、和歌山県庁で)
すさみ串本道路工事の課題への対応について話し合う関係者(28日、和歌山県庁で)
 国土交通省近畿地方整備局の紀南河川国道事務所(和歌山県)は28日、工事現場で硬い岩が多く見つかったり、地盤のひび割れが発見されたりした「すさみ串本道路」の開通予定について、当初の来年春から「現時点では2年以上遅れる可能性が高い」との見通しを発表した。


 近畿地方整備局と県、すさみ町、串本町職員が出席する「事業工程会議」が同日、県庁であり、今後の対応などを協議した。

 硬い岩は串本町和深の安指川橋(仮称)橋脚の基礎部分工事で多数発見された。掘削機を大型化したほか、作業も追加して対応しているが、大幅に時間を要しているという。

 また、すさみ町里野の小河瀬谷川橋(仮称)工事で7月、基礎掘削中に地盤のひび割れを発見し中断。その後、有識者が亀裂により緩んでいる地盤を調べた。今後の対応として、緩み範囲より下の健全な地盤まで基礎くいを追加することとし、詳細な設計を進めることを会議で確認した。

 開通予定については小河瀬谷川橋工事のひび割れ対応の設計内容によって変わるといい、めどは示されていない。ただ、現時点では2年以上遅延の可能性が高いとし、2年を大きく超えないよう、工程短縮に努めるとしている。

 また、今回の課題への対応や資機材高騰などにより、全体の事業費は約290億円増額し2160億円になる見込みで、近畿地方整備局事業評価監視委員会に諮る予定。

 すさみ串本道路は、すさみ町江住から串本町サンゴ台までの19・2キロ。硬質岩の多出やひび割れの発見により、紀南河川国道事務所が今年7月、来春としていた開通予定の延期を発表していた。

■知事「誠に残念」

 岸本周平知事は開通予定の大幅遅延の発表について「早期開通を求めていた本県としては誠に残念」と談話を発表。自然条件に起因するためやむを得ないとしながらも「半島防災の観点からも、早期完成は不可欠」とし、一日も早い開通をあらためて要請した。

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