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希少な甲虫を観察 ヨドシロヘリハンミョウの生息確認、和歌山県白浜町

ヨドシロヘリハンミョウを観察する参加者(和歌山県白浜町大古で)
ヨドシロヘリハンミョウを観察する参加者(和歌山県白浜町大古で)
ヨドシロヘリハンミョウの交尾。上が雄で下が雌
ヨドシロヘリハンミョウの交尾。上が雄で下が雌
 絶滅が心配されている希少な甲虫ヨドシロヘリハンミョウ(ハンミョウ科)の観察会が20日、和歌山県内唯一の生息地である白浜町大古の日置川河口であった。12人が参加し、生息状況を確認した。


 調査を兼ねた観察会で、今年で7回目。地元有志でつくる「ひきがわ歴史クラブ」が毎年この時季に開催している。  

 同種は、体長約1センチ。九州、四国など西日本の淡水と海水が混ざった河口汽水域の干潟に生息している。餌は小さな虫で、砂泥のアシ原をピョンピョンと跳ねるように素早く移動する。環境省のレッドリストで絶滅危惧2類、県をはじめ各地で絶滅危惧1類に分類されている。

 クラブによると、日置川河口では、毎年6~7月が繁殖期。雌は数十日かけて約100カ所の産室を掘り、各1個ずつ産卵する。幼虫は基本的に1年で親になるが、餌が少ないと翌年になることもあるという。

 日置川河口では、1975年に京都大学の甲殻類専門家が、カニの調査中に発見した。県内では今のところ、この場所でしか生息が確認されておらず、本州の東限、南限になっている。

 大阪府の淀川では、61年に確認されていたが絶滅している。保護していくためには環境維持が重要であるとし、県は2016年、日置川河口の生息地(約2・36ヘクタール)を天然記念物に指定し、開発や捕獲を禁止した。

 観察会に参加したクラブの前岩崇さん(78)=白浜町塩野=は「今年の観察会で確認できた数は昨年より少し減ったが、交尾が確認でき、子孫を残していることが分かったので良かった。定期的に調査を続けていきたい」と話した。

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