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日本で初めての個展 南アフリカ出身のレボさん、和歌山県串本町で

展示されているレボ・トラディさんの作品(和歌山県串本町串本で)
展示されているレボ・トラディさんの作品(和歌山県串本町串本で)
 和歌山県串本町串本の紀乃国屋ビル2階にある「ギャラリーきのくに」で、南アフリカ出身のレボ・トラディさん(29)が個展「いろいろ」を開いている。多角的な視点で描いた24点を展示。会場では絵と連動したクイズやレボさんとコラボできるスペースもある。7月20日まで。


 レボさんは2019年に外国語指導助手(ALT)として来日し、串本町内の小学校で英語を教えている。子どもの頃から絵が好きで、5歳の時にコンテストで優勝したこともある。デザイン系の大学に進学し、デザインの仕事にも携わっていた。

 ALTの仕事は7月でいったん終えるが、日本での活動は続けたいという。今回の個展は、約5年間過ごした串本で触れた優しさに感謝の気持ちを込めて企画した。

 展示しているのは、母国の歴史や日本の文化から着想を得たものや夢の世界、子どもの頃に獣医師を目指すほど好きだった動物など、ほとんどが来日してから描いた作品。仕事に行く前や帰宅した後に時間を見つけては作品作りに取り組んできた。平日でも4時間ほどを制作に充てたという。

 作品は水性ペンやアクリル絵の具、コンピューターグラフィックなど描き方もさまざま。中でも目を引いているのは、世界中の紙幣でアフリカ大陸をかたどった「血塗られた富」。少年兵や意に反して働かされる労働者などが描かれており、アフリカの歴史や奴隷制、搾取というテーマにスポットライトを当てた。

 また、北斎の代表作「富嶽三十六景」に魅了されて制作した「二十一世紀の富士山二十一景」は、昔と現代の日本を表現している。新宿のビル群や新幹線、ジェットコースター、コンビニなど進歩した部分を描きながら、昔と変わらない風景を組み合わせている。

 動物が組み合ってけんかする様子を描いた迫力ある作品もある。

 個展に合わせ、作品を見ながら参加できるクイズを用意した。絵はがきやしおり、展示作品の販売もしている。

 レボさんとのコラボスペースは来館者に絵を描いてもらおうと企画した。自由に参加してもらいたいという。

 レボさんは「アフリカと日本のことを知ってほしい。クイズやコラボもできるので楽しんでもらえたら」と呼びかけている。

 時間は午前9時~午後5時。土日曜も開館している。

 問い合わせは紀乃国屋(0735・62・1602)へ。

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