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販売増へ、あの手この手 消費税増税でスーパー

店頭でキャッシュレスのポイント還元制度をPRするのぼり(和歌山県田辺市下万呂で)
店頭でキャッシュレスのポイント還元制度をPRするのぼり(和歌山県田辺市下万呂で)
 10月の消費税増税後の国内景気の動向を示す経済指標が公表されている。苦戦しているのはスーパーマーケットだ。和歌山県田辺市内のスーパーはキャッシュレス決済によるポイント還元をPRしたり、独自の割引を打ち出したりして消費者の獲得を図っている。

 経済産業省の商業動態統計(速報値)によると、10月のスーパーの販売額は前年同月に比べ3・7%減少した。田辺市内のスーパー各店によると、11月以降の販売額は前年並みに戻ってきているという。ただ、軽減税率の対象外で駆け込み需要のあった酒や日用雑貨は「年末商戦まで低空飛行」という声もある。

 増税と同時に始まったキャッシュレス決済で最大5%が還元される政府の制度は、ある程度浸透している。

 JA紀南のAコープ各店ではクレジットカード決済が15%、スマートフォンによるQRコード決済が7%程度を占める。JA紀南は「スマホ決済はまだまだ少ないが、8月に導入以降利用はどんどん伸びている」と話す。直売所では、独自のカード利用で5%引きする特典も設け「(還元制度と)合わせて10%お得」とPRしている。

 田辺市を拠点にスーパーマーケットを展開する「たかす」(本部・田辺市新万)は、9月から導入した電子マネーを、来店者の4割ほどが利用しており、キャッシュレス化が定着してきたという。

 大手スーパーはポイント還元制度の対象外。オークワ(本社・和歌山市)は「恩恵がないどころか、お客さんが競合店に流れてしまうのではと危機感がある」と話す。独自のカード利用によるキャッシュレス決済で得られるポイントを3倍にするなどして、お得感を打ち出している。10月下旬からQRコード決済を県内全48店で導入。多様な決済方法にも対応している。

 グルメシティなどを運営するダイエー(本社・東京都)は、10月から公式アプリのクーポンを提示すると毎回3%引きしている。キャッシュレス決済によるポイント還元に力を入れる小売店が多い中、現金決済の来店者の購買意欲を促す狙いがある。ダイエー田辺ショッピングセンター店(田辺市宝来町)ではアプリ会員が約2500人。割引を始める以前は500人ほどだったのが、急増したという。

【ポイント還元制度】 制度に登録した中小店舗でクレジットカードや電子マネー、QRコードなど現金を使わずに支払うと、国費で最大5%分のポイントが還元される仕組み。2日現在、県内で5893店、田辺市で623店が登録している。

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