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世界遺産を川舟で 熊野古道「安居の渡し」復活、和歌山

「安居の渡し」の川舟に乗る生本洋三さん(右)と西政和さん=3日、和歌山県白浜町安居で
「安居の渡し」の川舟に乗る生本洋三さん(右)と西政和さん=3日、和歌山県白浜町安居で
 和歌山県白浜町安居にある世界遺産・熊野古道大辺路の「安居の渡し」が3日、約1年ぶりに再開した。日置川で川舟を運航する「安居の渡し保存会」は「道をつなぐ重要な場所。体力が続く限りは残したい」と話している。


 安居の渡しは、大辺路の「富田坂」と「仏坂」の間にある。地元の有志が保存会を結成して2005年10月から運航していたが、高齢化や資金難を理由に22年12月から休止していた。

 3年分の維持費などとして150万円を盛り込んだ町予算案が昨年12月の町議会で可決され、再開の見込みが立った。予約が少しずつ入ってきているほか、興味を示す海外の旅行会社もあるという。

 保存会は60~70代の7人。会長の生本洋三さん(74)は「『大辺路でここだけ通れていない』と待ってくれていた人もいる。続けるためにも、活動を手伝ってくれる人を探したい」。会員の西政和さん(74)は「地域の自慢なので、(再開で)何とか残したいと気合が入る」と話した。

 「安居の渡し」を巡っては、南紀白浜観光協会(白浜町)が昨年10、11月の計10日間限定で特別に運航した。保存会は活動休止後も、地元を拠点に教育旅行を受け入れている南紀州交流公社(白浜町安居)の依頼には応えていた。

 運航は土日曜と祝日の午前9時~10時と午後1時半~2時半(年末年始と盆期間を除く)。乗船希望日の2日前の午後5時までの予約制。料金は1人500円で、乗船手形を出す。1回の運航の乗客定員は6人。

 予約は、保存会の専用携帯電話(080・2500・3223)にショートメールを送る。住所、氏名、連絡先、乗船希望日、時間、人数を記入する。

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