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今年も受け入れ5千人 白浜町日置川の民泊・体験

離村式で、関西大学第一中学校の生徒に感想を尋ねる地元住民(奥)=8日、和歌山県白浜町矢田で
離村式で、関西大学第一中学校の生徒に感想を尋ねる地元住民(奥)=8日、和歌山県白浜町矢田で
 和歌山県白浜町の日置川流域を中心に教育旅行を受け入れている南紀州交流公社(奥山沢美理事長)は、今年の民泊や各種体験の受け入れ者数を前年並みの5千人弱と見込んでいる。地域との信頼関係が築かれ、毎年訪れる学校が多いことが実績となっている。

■10年間来訪の学校も

 「家族のように接していただき、貴重な体験ができました。とても楽しかったです」。関西大学第一中学校(大阪府吹田市)2年生の生徒代表があいさつすると、民泊で生徒を受け入れた地元住民から拍手が起きた。

 白浜町矢田のJR紀伊日置駅前で8日にあった離村式の光景だ。生徒227人は6日から滞在し、藍染め体験やジオサイトの散策、備長炭を使った風鈴作りなどを体験した。日置川流域や白浜地域、すさみ町の計66家庭が生徒を受け入れた。

 関大一中では2010年から毎年、2年生が訪れており、学校の特色としてホームページでも紹介するほどになっている。大西隆教頭は「環境学習という位置付けで始まったが、近年はそれ以外の要素も入ってきた。生徒が地域の皆さんの『生の声』を聞ける濃密な時間を過ごせることが大きい」と効果を話す。生徒は滞在中、地域への貢献として清掃や花植え、草刈りなどにも取り組んだ。

 奥山理事長は「10年も続けてくれていることは名誉に感じる。(関大一中のような)大人数を受け入れ、評価してもらえることは自信にもつながっているし、次へのエネルギーにもなる」という。

 8日は離村式に合わせ、関大一中の来訪が10年目になることを記念した式典も開かれた。生徒は、地域のために作ったという歌で声を合わせた。井澗誠町長も駆け付け「ぜひまた来てください」と呼び掛けた。

 公社によると、今年もリピーターが多い一方、初めて来訪する学校もある。春と秋に集中しており、特に10、11月は毎週のように受け入れている。来年も既に300人規模の4校の受け入れが決まっているといい、事務局では「いまの態勢だと年間で5千人前後が上限と考えている。新しい戦略も考えていかないといけない」と話している。

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