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和歌山県、職員採用を大幅見直し 面接を重視、公務員試験対策不要で多様な人材確保へ

和歌山県庁
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 和歌山県は3日、多様な人材を確保するため、来年度から職員採用試験の方法を大幅に見直すと発表した。1種(大学卒業程度)試験で、専門試験(筆記)を実施しない募集枠を拡充する。受験倍率が低下する中、特別な公務員試験対策を不要にし、民間企業との併願者を含め、より多くの人に受験してもらいたいという。


 本年度は「通常募集」(70人程度)のほか、「就職氷河期世代対象」など年齢や条件によって異なる3区分で計13人程度募集した。

 来年度は「通常募集」(50人程度)だけを残し、「早期募集枠」(20人程度)と「社会人採用」(20人程度)を新たに設ける。「通常募集」ではこれまでと同様、専門試験があるが、ほかの2区分では実施しない。専門試験がない区分はこれまでも一部であったが、初めて新卒者も対象にする。「早期募集枠」は通常より日程を2カ月早く進め、6月に最終合格発表がある。

 また、1次試験の基礎能力試験「SCOA(スコア)」や専門試験は、2次試験に進めるかどうかの判断だけに使う。これまでは筆記、論文、面接試験の全ての点数を合計して最終合否を決定していたが、来年度からは面接と論文試験の点数のみとし、特に面接を重視する。

 試験会場も増やす。「早期募集枠」の1次試験は、全国約340カ所にあるSCOA会場で、指定期間内に受ける。「通常募集」と「社会人採用」は和歌山市と田辺市のほか、東京都でも受けられるようにする。

 このほか、3種(高校卒業程度)で農業職と林業職、2種(短大卒業程度)で土木職と農業土木職を新たに募集する。


■「意欲ある人材を採用」 知事

 岸本周平知事は定例記者会見で、専門試験を実施しない枠の拡充について「新しい社会情勢の中で、教科書や参考書を覚えて正解を出す能力はそれほど重要視すべきではない。意欲がある、コミュニケーション能力が高いなど職員にふさわしい人を、より多くの集団から選びたい」とした。

 人手不足を背景に、県採用試験の受験者数は減少傾向で倍率も低下している。10年前の1種一般行政職は8・4倍だったが、19年度に5倍を切って4・3倍になり、本年度は3・2倍だった。

 来年度の試験案内は来春以降に順次、発表する。

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