熱帯魚、本州初記録! 「クラカケエビス」、和歌山・串本町の磯で中学生が発見
和歌山県串本町潮岬の磯で昨年冬、和歌山市の中学生が、熱帯性魚類のクラカケエビス(イットウダイ科)を発見し、標本を作った。海南市の県立自然博物館で10月1日まで展示している。同館によると、本州初記録という。
発見したのは和歌山市東中学校3年の堺響暉君。昨年12月9日、クラカケエビスを網で採集した。体長約4・9センチで幼魚だった。
同館元学芸員の國島大河さんの指導の下、詳しく観察し、体の形状や色、分布などを論文にまとめた。鹿児島大学総合研究博物館が発行する査読付き学術雑誌に8月21日付で公開されている。
論文によると、クラカケエビスはインド洋や太平洋に分布。日本では南西諸島や小笠原諸島、高知県の柏島で記録はあるが、本州での記録はなかった。
県内での出現が偶発的か、すでに定着しているかは不明。串本は紀伊半島の先端にあることから、黒潮の影響を大きく受けるため、潮の流れによって熱帯の魚類の卵や仔魚(幼生)が南から運ばれてきたと考えられる事例が多くあるという。論文には「本種を含む熱帯性魚類について、どの程度の頻度で出現するか、気候変動に伴って今後定着していくかを注視する必要がある」とまとめた。
國島さんは「和歌山は南北に長く、まだ見つかっていない魚もある。発見したものはきちんと標本に残すことが大事だが、専門家だけでは手が回らない。興味を持ってもらえれば一般の人にでも発見できるチャンスがある」と話している。
発見したのは和歌山市東中学校3年の堺響暉君。昨年12月9日、クラカケエビスを網で採集した。体長約4・9センチで幼魚だった。
同館元学芸員の國島大河さんの指導の下、詳しく観察し、体の形状や色、分布などを論文にまとめた。鹿児島大学総合研究博物館が発行する査読付き学術雑誌に8月21日付で公開されている。
論文によると、クラカケエビスはインド洋や太平洋に分布。日本では南西諸島や小笠原諸島、高知県の柏島で記録はあるが、本州での記録はなかった。
県内での出現が偶発的か、すでに定着しているかは不明。串本は紀伊半島の先端にあることから、黒潮の影響を大きく受けるため、潮の流れによって熱帯の魚類の卵や仔魚(幼生)が南から運ばれてきたと考えられる事例が多くあるという。論文には「本種を含む熱帯性魚類について、どの程度の頻度で出現するか、気候変動に伴って今後定着していくかを注視する必要がある」とまとめた。
國島さんは「和歌山は南北に長く、まだ見つかっていない魚もある。発見したものはきちんと標本に残すことが大事だが、専門家だけでは手が回らない。興味を持ってもらえれば一般の人にでも発見できるチャンスがある」と話している。