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アマハゼを紀伊半島初確認 田辺高校の前田君採取

和歌山県印南町の海岸で見つかったアマハゼ(平嶋健太郎さん提供)
和歌山県印南町の海岸で見つかったアマハゼ(平嶋健太郎さん提供)
前田知範君
前田知範君
 潮だまりなどの岩や砂の間に潜り込んで生活するハゼの仲間アマハゼ(ハゼ科)を、田辺高校(和歌山県田辺市)2年の前田知範君(17)が採取した。紀伊半島初の確認で、ハゼに詳しい県立自然博物館(海南市)の平嶋健太郎学芸員(47)と共に、詳細を南紀生物同好会会誌「南紀生物」に発表した。

 前田君はもともと生物が好きで田辺中学校1年の時から生物部に所属している。2020年1月にユウスイミミズハゼの論文を読んでミミズハゼ類に興味を持ったという。その後、父親に連れて行ってもらうなどして、2週間に1、2度の頻度で紀南の海岸に出掛けてハゼを探している。

 印南町の海岸に出掛けた4月25日、岩の間で今まで見たことのない体長3センチ前後のハゼを複数匹採取した。すぐに平嶋学芸員に連絡して、生きたまま自然博物館に持ち込んだ。その時初めてアマハゼであることを知ったという。

 前田君は「紀伊半島で初めてと聞いてびっくりした。こんなに珍しいハゼが捕れるとは思わなかった。これからもいろいろなハゼを探したい」と話す。これまで希少種のイドミミズハゼやコマハゼなども採取している。

 平嶋学芸員は「大発見は大人や研究者によるものとはかぎらない。このような生物好きの子どもたちがいて、その力を伸ばすのも自然博物館の役割。どんどん頼ってほしい」と見守っている。

 アマハゼは、コマハゼに似ているが、うろこの状態が違う。体色は暗い褐色から暗灰色まであり、全体に黄色から白みを帯びた小斑紋が点在する。岩場で砂利が深く堆積した場所で見られる。これまでに青森県や兵庫県、福岡県、長崎県などで確認されている。

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