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18日に改めて挑戦 ロケット打ち上げ、強風で連日延期、和歌山県串本

打ち上げが延期となった小型ロケット「カイロス」2号機=15日午前10時34分、和歌山県串本町(共同通信社ヘリから)
打ち上げが延期となった小型ロケット「カイロス」2号機=15日午前10時34分、和歌山県串本町(共同通信社ヘリから)
打ち上げ延期について説明するスペースワンの阿部耕三執行役員(15日午後0時20分ごろ、和歌山県串本町で)
打ち上げ延期について説明するスペースワンの阿部耕三執行役員(15日午後0時20分ごろ、和歌山県串本町で)
 宇宙事業会社「スペースワン」(東京)は15日午前10時半ごろ、和歌山県串本町田原の民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」から同日午前11時に予定していた、小型ロケット「カイロス」2号機の打ち上げを、強風のため延期すると発表した。14日も強風が理由で延期しており2日連続。次回は18日午前11時の打ち上げを予定している。「天候なので仕方ない」としながらも、関係者や見学者には落胆が広がった。 


 今日こそはと期待が高まった2号機の打ち上げだったが、打ち上げ予定の30分前、同社から打ち上げ日程変更が知らされた。町内のホテルに設けられた会見場ではその後、広報担当者が、10時20分からの最終判断で天候分析の結果、ロケット打ち上げは不可と判断。強風のためと伝えられた。

 会見場で岸本周平知事は「天候が理由ということで致し方のないこと。残念な気持ちは少しあるが、再チャレンジしていただくのを期待を持って待つということ以外にない。昨日、今日見学に来ていただいた方には申し訳ない」と語った。

 串本町田原の見学場で、田嶋勝正町長は「打ち上げがいつになっても万全の体制を取っていきたい。多くの方々のご尽力を頂いてできた発射場。まずは1射を成功してほしい。成功すればこの地域だけでなく、日本のロケットビジネスが大きく開けていくと思っている」と期待を込めた。

 カイロスは全長約18メートル、重さ約23トンで、固体燃料ロケット。スペースワンは今年3月に1号機を打ち上げたが、約5秒後にロケット自身の判断による自律破壊によって爆発。政府の衛星も搭載していたが失われた。2号機には台湾国家宇宙センター(TASA)などの衛星計5機を搭載している。

■「天候判断難しい」

 正午から開かれた会見で、スペースワンの阿部耕三執行役員が打ち上げ中止や延期について説明した。

 延期の理由は前日と同様、射場の上空の強風だとし「地上の天候は良くても、ロケットは高度数百キロまで飛び、いろんな層を通るのでそこの天気を見ている。上の方は直前にならないと分からない。天候判断は難しい」と語った。

 前日の延期説明でも、射場の上空10キロ以上の風の影響が非常に強いことから打ち上げが不適だと判断したこと、ロケットは細長く横からの荷重に対して弱いため、上空を飛んでいる時に強風が機体に当たり過ぎると壊れてしまう恐れがあることを説明していた。

 射場の立地については、過去の天候データなどを踏まえて選んでいるという。季節によって風の流れが打ち上げに厳しい時もあるが、良い立地で、今回は、直前にならないと分からない上層風の影響をピンポイントで受けたことが原因と考えているとした。

 「われわれも遺憾。天候が条件を満たさなかった。他は準備が滞りなく進み、打ち上げ直前までいっていた。本当に次こそはという思いがある。諸条件をしっかり見極めて打ち上げ、人工衛星の分離を報告できる形で臨みたい。引き続きご声援いただけるとありがたい」と述べた。

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