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カツオのケンケン漁が好調 和歌山県南部の3漁港「近年で一番いい」

周参見漁港市場でのカツオの競り(25日、和歌山県すさみ町周参見で)
周参見漁港市場でのカツオの競り(25日、和歌山県すさみ町周参見で)
 カツオ漁が盛んな和歌山県紀南地方の主要3漁港(田辺、周参見、串本)で、ケンケン漁(ひき縄漁)が好調だ。県水産試験場(串本町)によると、今年の水揚げ量は4月までの4カ月間で計253・0トンとなっており、すでに昨年1年間(172・8トン)を超えた。すさみ町の漁師は「今年は量も値段も近年で一番いい」と喜んでいる。


 2021年のケンケン漁も年間565・0トンと好調だったが、コロナ禍で店舗や宿泊施設が休業や営業時間の短縮をしていたため、安値だった。1キロ当たり100円台後半まで落ちることもあり、漁師たちを落胆させた。

 今年も依然として燃料代が高く、漁師たちを悩ませているが、コロナの収束で値段は回復している。仲買人によると、すさみ町の周参見漁港では、1キロ当たり400~千円台で取引されているという。

 ケンケン漁は、疑似餌でカツオなどを釣る紀南で発展したひき縄漁。釣り上げられたカツオは丁寧に扱われ、鮮度が高く人気がある。すさみ町内で水揚げされたカツオは「すさみケンケン鰹」としてブランド化されている。

 周参見漁港では25日、約2キロのカツオを中心に5トン以上の水揚げがあり、活気に包まれた。競り落とされたカツオは「すさみケンケン鰹」のシールが張られ、発泡スチロールの箱に入れて、大阪、名古屋、東京などに送られた。

 水産試験場によると、カツオの日本近海への来遊量は近年減っており、3漁港では14年から不漁が続いている。昨年に比べて今年の水揚げ量が増えている理由は、はっきりと分からないという。

 3漁港の水揚げ量を過去のデータでみると、最も多かったのが00年の1957・5トン。最も少なかったのは18年の138・6トン。

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