【動画】潮岬灯台が点灯150周年 旧官舎の活用構想も
和歌山県串本町潮岬、本州最南端の灯台として知られる潮岬灯台が注目されている。今年9月に正式点灯から150周年の節目を迎える中、今も敷地内に残る旧灯台守官舎を教育や観光に活用しようという構想も始動。その一環として「灯室」の特別一般公開や灯台を海上から眺めるクルーズ体験、歴史を学ぶ講演会がこのほどあり、参加者は潮岬灯台の新たな魅力に触れていた。
潮岬灯台は日本初の洋式木造灯台として1870(明治3)年6月10日に仮点灯、73年(同6)年9月15日に正式点灯した。
■「灯室」を特別一般公開
田辺海上保安部は21日、通常は見ることができない「灯室」の特別一般公開を行い、観光客ら175人が来場した。
来場者は列をつくって細い階段を上り、直径1・2メートルもある回転灯が設置されている灯室へと向かった。灯室は狭いため数人ずつ入り「レンズが大きい」「光が熱い」などと声を上げながら、太平洋の眺めとともに「特別な光」を楽しんだ。
熊本県宇城市から来たという女性(70)は「めったに見られないので本当によかった」と話した。
■灯台クルーズや講演 利活用推進委
潮岬灯台を巡っては、南紀串本観光協会など3団体でつくる「紀の国灯台利活用推進委員会」が、日本財団「海と灯台プロジェクト」の「新たな灯台利活用モデル事業」に採択され、1870年に建てられたという石造りの旧灯台守官舎を観光や教育に利活用することを目指している。旧官舎の耐震性や潮岬灯台の歴史の調査に取り組んでおり、将来的には旧官舎を宿泊施設(灯台コテージ)として活用し、日本初の「泊まれる灯台」にしたいという。
推進委は、その一環として21日に田辺海保とともに特別一般公開に取り組んだ他、22日には、海の上から潮岬灯台を眺めるクルーズ体験と潮岬灯台の歴史などについて学ぶ講演会を開いた。
クルーズ体験には計2便に一般参加者21人が乗船した。串本漁港を出港して「くしもと大橋」の下をくぐり、同町出雲沖などを通って25分ほどで灯台が見える洋上に到着。普段とは違う角度から灯台を眺めた。参加したホテル従業員の平剛さん(53)=串本町串本=は「陸地からしか見たことがなかったので、海からの景色はすてきだった。新たな魅力を発信していければ」と笑顔を見せた。
引き続き、同町串本の和歌山東漁協の施設で「潮岬灯台の歴史発見講演会」を開き33人が参加。海上保安庁海上保安試験研究センター職員で、プライベートで灯台を研究している星野宏和さん(56)=東京都=が調査をした潮岬灯台の歴史を紹介。潮岬灯台は当初「日本の灯台の父」といわれる英国人技師リチャード・ヘンリー・ブラントンによって建てられた木造灯台だったが、耐久性の問題で、ブラントンの後任である英国人技師ジェームス・マクリッチにより1878(明治11)年に現在の石造灯台に建て替えられたこと、ブラントンの灯台と比較したマクリッチの灯台の特徴などについて話した。
また、灯台に使われている「フレネルレンズ」の研究者である石島薫さん(59)=神奈川県=は、潮岬灯台で使用されたレンズの変遷などについて話した。
「灯台どうだい?」というフリーペーパーを発行している推進委の不動まゆう会長(45)=東京都=は「推進委としては旧官舎の活用が最終目的で、それに向けた事業を展開しているところ。日本や世界中の灯台を巡っているが、潮岬灯台は歴史も語り口もたくさんあり、灯台の歴史を知るには最高の場所。灯台とともに串本を明るく照らす事業に取り組んでいきたい」と意気込んでいた。
潮岬灯台は日本初の洋式木造灯台として1870(明治3)年6月10日に仮点灯、73年(同6)年9月15日に正式点灯した。
■「灯室」を特別一般公開
田辺海上保安部は21日、通常は見ることができない「灯室」の特別一般公開を行い、観光客ら175人が来場した。
来場者は列をつくって細い階段を上り、直径1・2メートルもある回転灯が設置されている灯室へと向かった。灯室は狭いため数人ずつ入り「レンズが大きい」「光が熱い」などと声を上げながら、太平洋の眺めとともに「特別な光」を楽しんだ。
熊本県宇城市から来たという女性(70)は「めったに見られないので本当によかった」と話した。
■灯台クルーズや講演 利活用推進委
潮岬灯台を巡っては、南紀串本観光協会など3団体でつくる「紀の国灯台利活用推進委員会」が、日本財団「海と灯台プロジェクト」の「新たな灯台利活用モデル事業」に採択され、1870年に建てられたという石造りの旧灯台守官舎を観光や教育に利活用することを目指している。旧官舎の耐震性や潮岬灯台の歴史の調査に取り組んでおり、将来的には旧官舎を宿泊施設(灯台コテージ)として活用し、日本初の「泊まれる灯台」にしたいという。
推進委は、その一環として21日に田辺海保とともに特別一般公開に取り組んだ他、22日には、海の上から潮岬灯台を眺めるクルーズ体験と潮岬灯台の歴史などについて学ぶ講演会を開いた。
クルーズ体験には計2便に一般参加者21人が乗船した。串本漁港を出港して「くしもと大橋」の下をくぐり、同町出雲沖などを通って25分ほどで灯台が見える洋上に到着。普段とは違う角度から灯台を眺めた。参加したホテル従業員の平剛さん(53)=串本町串本=は「陸地からしか見たことがなかったので、海からの景色はすてきだった。新たな魅力を発信していければ」と笑顔を見せた。
引き続き、同町串本の和歌山東漁協の施設で「潮岬灯台の歴史発見講演会」を開き33人が参加。海上保安庁海上保安試験研究センター職員で、プライベートで灯台を研究している星野宏和さん(56)=東京都=が調査をした潮岬灯台の歴史を紹介。潮岬灯台は当初「日本の灯台の父」といわれる英国人技師リチャード・ヘンリー・ブラントンによって建てられた木造灯台だったが、耐久性の問題で、ブラントンの後任である英国人技師ジェームス・マクリッチにより1878(明治11)年に現在の石造灯台に建て替えられたこと、ブラントンの灯台と比較したマクリッチの灯台の特徴などについて話した。
また、灯台に使われている「フレネルレンズ」の研究者である石島薫さん(59)=神奈川県=は、潮岬灯台で使用されたレンズの変遷などについて話した。
「灯台どうだい?」というフリーペーパーを発行している推進委の不動まゆう会長(45)=東京都=は「推進委としては旧官舎の活用が最終目的で、それに向けた事業を展開しているところ。日本や世界中の灯台を巡っているが、潮岬灯台は歴史も語り口もたくさんあり、灯台の歴史を知るには最高の場所。灯台とともに串本を明るく照らす事業に取り組んでいきたい」と意気込んでいた。