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正月用に梅の枝出荷 JA紀州「今季は品質良い」

JA紀州の統合選果場に持ち込まれた「ズバイ」。関西などの市場に出荷される(7日、和歌山県みなべ町気佐藤で)
JA紀州の統合選果場に持ち込まれた「ズバイ」。関西などの市場に出荷される(7日、和歌山県みなべ町気佐藤で)
 和歌山県のJA紀州は今季も、農家から出された梅の枝を出荷している。「ズバイ」と呼ばれる剪定(せんてい)した枝で、正月用の飾りとして需要が高まっている。今季の出荷量は例年よりやや少なくなりそうだが、品質は良いという。


 ズバイは、JA紀州の合併前から田辺市龍神村や日高川町美山地域で出荷されていたが、他府県の産地からの出荷が減ったことで市場から要望があり、梅の栽培が盛んなみなべ町や印南町でも2015年から出荷するようになった。両町では今季、計約45戸の農家が取り組んでいる。

 今季も今月初めから、農家が地元の選果場に持ち込み、それをJA紀州が関西や中京の市場に出荷している。

 JA紀州みなべ営農販売センターによると、みなべ、印南両町では7日までに計約30万本のズバイが持ち込まれた。9日に最終の受け付けを予定しており、合わせると約35万本になる見込み。昨季の約29万本は上回るものの、例年よりやや少なくなるとみられる。

 要因について同センターの営農指導員、廣澤健仁さんは「各農家が栽培管理の作業に支障を来さない程度に、無理せず出荷していることで、量が減っていると思う。とはいえ一定量は出荷できており、品質が良い」と話す。

 出荷する枝は11月中旬から12月上旬にかけて剪定した「徒長枝(とちょうし)」で、長さ40センチに切りそろえ、箱に500本ずつ詰めている。通常なら廃棄する枝だが、生けていれば花を咲かせ、正月用の飾りや仏花などとして有効に利用される。

 7日、みなべ町気佐藤の統合選果場に持ち込んだ同町徳蔵の永井由香里さん(47)は「花き農家に憧れ、以前からやってみたいと思っていたので、今年から取り組んでいる。子育てが落ち着き、時間に余裕があり、内職になればと思う。作業は楽しいし、喜んでもらえるのでやりがいもある」と話していた。

 廣澤さんは「市場から高評価を受けているので、もっと出荷を増やすことができればと思っている。梅産地の新しい取り組みとしてもっと注目してもらいたい」と話している。

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