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秋晴れの下「弁慶まつり」 3年ぶり開催でにぎわう、田辺市

「紀州弁慶よさこい踊り」のコンテスト予選で演舞を披露する参加者(1日、和歌山県田辺市扇ケ浜で)
「紀州弁慶よさこい踊り」のコンテスト予選で演舞を披露する参加者(1日、和歌山県田辺市扇ケ浜で)
出陣に向け、声を上げる弁慶(9月30日、和歌山県田辺市東陽で)
出陣に向け、声を上げる弁慶(9月30日、和歌山県田辺市東陽で)
 和歌山県田辺市の秋を代表するイベント「第34回弁慶まつり」(実行委員会、推進団体協議会主催)が9月30日、10月1日の両日、3年ぶりに開かれた。秋晴れの下、同市扇ケ浜などを舞台によさこい踊りや演劇など多彩なイベントが繰り広げられ、市街地が熱気に包まれた。

 市の三偉人の一人とされ、源義経の家臣でもある武蔵坊弁慶にちなんだイベント。新型コロナウイルスの影響で2年連続で中止となっていた。

 メインイベントの一つ「紀州弁慶よさこい踊り」は1日にあり、26チーム総勢約600人が各所で演舞を披露した。参加者は前回(42チーム、1200人)より少なかったものの、市内外から集まった踊り子たちが華やかな衣装で躍動した。

 扇ケ浜会場に設けられた特設舞台では、午前11時すぎからコンテストの予選があった。軽快な音楽に合わせてポーズが決まると、会場からは大きな拍手が送られた。

 トップバッターを切ったのは地元チームの「舞YOU伝」。メンバーで保育士の鎌倉光希さん(40)=田辺市むつみ=は「待ちに待った舞台で、最高に気持ちよかった」と笑顔をはじけさせた。

 午後からは勇壮な弁慶をイメージした「弁慶ゲタ踊り」があり、15団体約600人が参加。夜は同時開催の「田辺花火大会」(田辺観光協会、田辺市主催)があり、約3500発の花火が田辺湾を彩る予定。

■迫力の演劇「弁慶伝説」

 武蔵坊弁慶の生涯を描いた演劇「弁慶伝説」が9月30日、田辺市東陽の闘雞神社境内の特設ステージであった。迫力ある演技で、約200席を埋め尽くした観客を圧倒した。

 演劇は、親に捨てられた弁慶が成長し、比叡山の延暦寺で「武蔵坊弁慶」の名を授かり、源義経や玉虫との出会いを経て、壇の浦への出陣までを描いた内容。

 和太鼓が鳴り響く中、弁慶がなぎなたを振るうシーンや、壇の浦へ出陣を決めるクライマックスでは会場から大きな拍手が起きた。熊野水軍が源氏と平家のどちらに付くかを占うシーンでは、実際に2羽の鶏を闘わせる「鶏合わせ」の神事を再現した。

 田辺市天神崎の女性(63)は「熱演で素晴らしかった。来年も見たい」。新宮市三輪崎から訪れた内谷薪太郎さん(22)は「ストーリーは知っていたが、見るのは初めて。弁慶は迫力があってすごかった」と話した。

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