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熊楠のフロックコート、修繕終え展示再開 白浜の記念館

修繕を終えて記念館での展示が再開された熊楠のフロックコート(15日、和歌山県白浜町で)
修繕を終えて記念館での展示が再開された熊楠のフロックコート(15日、和歌山県白浜町で)
 和歌山県白浜町の南方熊楠記念館は、所蔵する熊楠が着用したフロックコートを修繕し、15日から、館内での展示を再開した。

 熊楠がイギリス滞在中に現地で仕立てたコート。普段の生活ではほとんど浴衣などの軽装を好んだが、1929(昭和4)年6月1日、昭和天皇が白浜を訪問された際にはこのコートを着用した。昨年11月から、元興寺文化財研究所(奈良市)で修繕していた。

 コートは縫い目がほつれたり、ボタンがさびたりしていた。コートと一緒に展示している、ズボンとベストも修繕した。費用は約120万円。

 同館は昨年9月1日~10月29日、インターネットで寄付を募るクラウドファンディングで修繕費を集めた。全国の410人から約1834万円と目標額を大幅に上回る寄付があった。修繕費以外の寄付金は記念館の整備に活用する。

 高垣誠館長は「全国の皆さまの寄付のおかげで、大変貴重な資料を後世に伝えていくことができるようになった。とても感謝している。コートは、記念館の展示品の中でも見どころの一つ。来館者に再び見てもらえるようになり、大変うれしく思う」と話した。

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