和歌山県田辺市は２０２２年度から、運転免許証を自主返納した市内の高齢者に５千円の奨励金を支給する方針を示している。車の運転に不安を感じるお年寄りに返納を促し、交通事故の防止につなげたいという。

　奨励金の対象は、４月１日以降に運転免許証を自主返納した６５歳以上の高齢者。返納者に発行される「運転免許取消通知書」または「運転経歴証明書」の写しを添えて申請する。支給は１回のみ。

　２２年度一般会計当初予算案に事業費として１５０万円を計上。開会中の市議会３月定例会に提案している。

　市自治振興課の担当者は「高齢の運転者が免許証の返納について考えるきっかけの一つになれば」と話している。

　運転免許証の自主返納は、高齢ドライバーによる交通事故の増加を受けて１９９８年に制度化された。市内の自主返納者は、２０年２７６人、１９年３１４人、１８年２４２人だった。