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熊野がベスト4進出 高校ラグビー和歌山県大会

熊野―新宮 前半15分、トライを決める熊野の深見(和歌山県の上富田スポーツセンターで)
熊野―新宮 前半15分、トライを決める熊野の深見(和歌山県の上富田スポーツセンターで)
田辺工業・田辺―和歌山工業 ボールを持って密集から抜け出す宮本瑛大君(和歌山県の上富田スポーツセンターで)
田辺工業・田辺―和歌山工業 ボールを持って密集から抜け出す宮本瑛大君(和歌山県の上富田スポーツセンターで)
 第101回全国高校ラグビー和歌山県大会は10月31日、上富田町朝来の上富田スポーツセンターで準々決勝の4試合があった。熊野は新宮に111―0で勝ち、ベスト4に進出した。田辺工業・田辺の合同チームは、和歌山工業に0―92で敗れた。


 熊野は前半9分、プロップ平阪(2年)がゴール前の密集から持ち出して先制のトライを決めた。15分にはSH小山(3年)からのパスを受けたSO深見(3年)が左中間へトライ。硬さが取れた熊野は、WTB瀬戸(2年)らが相次いでトライを決めた。後半になると熊野のペースで試合が進み、点差を広げた。

 熊野の楠本真得主将(3年)は「最初は焦りがあったが、全員で前に行くという気合が入っていた。自分たちはチャレンジャー。課題を調整して準決勝に臨みたい」と話した。

 田辺工業・田辺は、他の部からの助っ人も含めて選手は15人ちょうどだった。防戦一方の苦しい展開となり、和歌山工業に大敗した。

 田辺工業・田辺の彦路淳佑主将(3年)は「1トライが奪えず悔しい。チームを引っ張れなかった」と悔やんだ。

 この他、和歌山北が那賀に122―5、近大和歌山が星林に97―5で勝った。

 準決勝の和歌山工業―和歌山北、熊野―近大和歌山は6日、和歌山市の紀三井寺公園陸上競技場で行われる。

■タックルに手応え/田辺工業の宮本君

 「楽しかった」。田辺工業・田辺のナンバー8宮本瑛大君(3年)は、和歌山工業との試合の後、仲間たちに言った。

 試合は1トライも奪えず大敗。宮本君は「最後まで気持ちが折れなかった。自分より体格が上回る相手に、いいタックルができた」と、手応えを語った。

 幼少期からレスリングで体を鍛えた。上富田中学校では柔道部。高校と実業団でラグビーをしていた父親の勧めで、田辺工業高のラグビー部に入った。身長165センチ、体重65キロとFWとしては小柄だが、レスリング仕込みのタックルが得意だ。

 2年の冬から人数不足で田辺と合同チームを組んだ。1月の新人戦には出場したが、5月の春季大会は直前にけが人が出たため棄権した。

 新型コロナウイルスの影響で、満足に練習や試合ができなかった。それでも「自分たちのできることをしたい」と、練習に早く来て準備するなどプレー以外の仕事も率先して取り組んだ。「やりたいことができたので、悔いはない」と、充実した表情だった。

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