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事業の安定性など疑問視 和歌山県議会IR対策特別委

 和歌山県が誘致を目指す「カジノを含む統合型リゾート施設」(IR)を議論する県議会の「IR対策特別委員会」(16人)が8日、県庁で開かれた。議員から、IR運営の優先権者となっている事業者の透明性や、事業の安定性、継続性などを疑問視する意見が相次いだ。県は事業者が態勢強化に努力していることなどを説明し、理解を求めた。

 県は和歌山市の「和歌山マリーナシティ」にIRの誘致を目指しており、カナダに本社があるIR投資会社の日本法人「クレアベストニームベンチャーズ」を代表企業とする共同事業体(コンソーシアム)を優先権者に選んでいる。

 県は、国に提出する区域整備計画の原案を事業者と作成し、11月25日から1カ月間、県民からの意見募集(パブリックコメント)を実施。同日以降、和歌山市7カ所と各振興局管内7カ所の計14カ所で住民説明会を開き、県ホームページでも説明動画を配信する。その後、計画案として、来年2月の県議会定例会に提案し、期限の来年4月28日までに国に提出する予定。特別委はこの間、数回開き、計画案について協議を進める。

 8日の特別委で県側は、選定委員会では事業者は及第点だったが、国に認定される可能性を高めるために提案書の内容を向上させることや、資金調達の確実性を担保する書類の提出を求めていることなどを説明した。

 議員は、県が8月25日にコンソーシアムと「基本協定」を結んだが、その日に代表企業の代表取締役が交代したことや、コンソーシアムの構成員が固まっていないこと、資金調達の確実性が見えないことなど、不透明さを指摘。県から適切に情報が知らされないと、批判する意見もあった。

 山下直也議員(自民)は「見えない部分を見えるようにしないと信用性が出てこない」と考えを聞いた。県の田嶋久嗣IR担当理事は「当然、こういう状況のままで最後までいけるわけでなく、姿や形を11月には示せるよう、努力している」と答えた。

 冨安民浩議員(自民)からは「大事業をやるのに非常に心もとない。県は何が何でもと、付け焼き刃で進めているような感じがする」などという指摘もあった。

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