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「6年生」12人に証書 熱中小学校が初の卒業式

浦聖治校長(右)から卒業証書を受け取る、熱中小学校の卒業生=和歌山県白浜町で
浦聖治校長(右)から卒業証書を受け取る、熱中小学校の卒業生=和歌山県白浜町で
 和歌山県上富田町の大人の学びや「紀州くちくまの熱中小学校」(浦聖治校長)は11日、2018年に開校してから初めての卒業式を開いた。一般の小学生が6年で卒業することになぞらえ、開校以降の講座計6期を継続して受講した「6年生」12人に卒業証書を贈った。

 熱中小学校は、一般社団法人「紀州くちくまの未来創造機構」が18年春、上富田町生馬の生馬小学校芦山分校だった校舎を教室に開校した。さまざまな業界で活躍する人を講師に招き、毎年前期と後期に分けて開講している。昨年度は新型コロナウイルスの影響で前期が中止となったため、本年度の前期が第6期となった。

 熱中小学校の事務局によると、講座には紀南地方のほか、紀北や県外から参加する人もいる。異業種の受講生が集まり交流することで、地域に貢献する人材や起業家の育成だけでなく、新たな事業が生まれることにもつながっているという。

 11日、第6期講座が開かれた白浜町のIT関連企業「クオリティソフト」で卒業式があり、「6年生」12人のうち9人が出席し、2人がオンラインで参加した。浦校長が一人一人に卒業証書を手渡した。

 卒業生の一人で、熱中小学校事務局長を務める沖田茂利さん(48)は「生徒がお互いに助け合いながら、みんなで前向きに取り組んでいるのがこの学校の魅力。チームで取り組む楽しさや、難しさを知ることができたのが、熱中小学校で得た一番大きなものだと思う」と振り返った。

 また、県職員の山下桃子さん(37)=上富田町岩田=は「地域の課題を解決していくことに楽しさを見いだせたのが、大きな学びの一つだった。卒業後は熱中小学校の『育英会』のメンバーとして、新たに入学した人への助言やサポート、人と人とをつなぐ役割も担っていけたら」と話した。席上、母親の山下さんとともに計6期の講座に参加した誠之介君(9)と桜子ちゃん(3)にも、特別卒業生として卒業証書が贈られた。
7期講座の受講生募集


 紀州くちくまの熱中小学校は、10月に開講する第7期講座の受講生を募っている。来年3月まで毎月開催(全6回)する予定で、オンラインでも受講できる。定員は先着65人。

 開催日は10月9日、11月13日、12月11日、1月15日、2月12日、3月12日のいずれも土曜。講師は、NPO観光情報流通機構理事長やNHKプロデューサー、東京大学先端科学技術研究センター准教授ら12人。

 受講生の対象は15歳以上。授業料は60歳未満1万円、60歳以上2万円、高校生以上の学生は無料。

 申し込みは、熱中小学校のホームページで。問い合わせは、上富田産業振興・文化交流館(上富田町朝来)内の事務局へ電話(0739・34・3115)かメール(info@necchu-kuchikumano.com)で受け付けている。
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