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水上オートバイが危険航行 扇ケ浜、遊泳者に接近

田辺海上保安部職員らから啓発用のチラシを受け取る小森啓示代表(右)=和歌山県田辺市文里2丁目で
田辺海上保安部職員らから啓発用のチラシを受け取る小森啓示代表(右)=和歌山県田辺市文里2丁目で
 和歌山県田辺市の扇ケ浜海水浴場で、遊泳者の近くを航行する水上オートバイが増えている。田辺海上保安部は「いつ大事故が起こるか分からない。事故が起きてからでは遅い」と注意を呼び掛けている。


 海保によると、田辺港周辺海域では例年夏場を中心に、水上オートバイが多数航行しており、危険な状態になっていることから、周辺漁業者や海水浴客から多くの指導要請が寄せられているという。田辺周辺の海域で昨年発生した水上オートバイの事故は1件だったが、今年は10日現在、2件発生している。

 海水浴場を管理する市観光振興課によると、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、昨年に続いて今年も海水浴場の開設は中止している。シャワーなどの施設が使用できないほか、監視員は置かず、サメよけネットも設置していないが、主に県外から来た人たちが海水浴を楽しんでいる。市にも水上オートバイが遊泳者の近くを航行していて危険と指摘するメールが2件届いている。

 海浜事故の未然防止を図ろうと市や関係団体は、水上オートバイ店舗などに利用者への啓発を依頼している。

 田辺海上保安部と漁業関係者らで組織するボランティア団体田辺見守りパトロール隊はこのほど、田辺市文里2丁目にある水上オートバイ店「WILDBOAR(ワイルドボア)」を訪れ、啓発チラシ配布への協力を依頼した。

 チラシには港内はゆっくりと航行することや、航行中は養殖いかだや遊泳者に近づかないことなどを書いており、田辺港内にある危険箇所を記した安全情報図も一緒に渡している。

 田辺海上保安部の下津弘文交通課長は「田辺湾内にはダイビングスポットもあり、水上オートバイが高速で航行すると危険。危険な行為をするのは一部の人だが、利用者には注意するようお願いしている」と言い、ワイルドボアの小森啓示代表は「田辺湾内では多い日で40台ぐらい航行しているが、いくら注意してもマナーを守ってくれない人もいるのは確か。利用者には、けがなく楽しんでもらいたい」と話した。

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