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RSウイルスの感染増 過去5年の同時期最多、和歌山

 乳幼児が感染すると肺炎になることもあるRSウイルス感染症の和歌山県内患者数が、過去5年間の同時期と比べてかなり多くなっていることが、県の集計で分かった。管内でも増加傾向にある田辺保健所の担当者は「マスク着用や手洗い、うがいを心掛けてほしい」と呼び掛けている。


 RSウイルス感染症は、RSウイルスを原因とする呼吸器感染症で、2歳までにほとんどの子どもが感染するとされている。主に飛沫(ひまつ)や接触によって感染する。多くは発熱や鼻水といった症状にとどまるが、特に乳幼児は気管支や肺に炎症が広がって重症化することもある。

 これまでは秋から冬にかけて流行していたが、近年は夏にも流行する傾向が見られる。また、今年は新型コロナウイルス対策の影響で多くの感染症が減少傾向にあるが、RSウイルスは全国的にも増加が目立っている。

 5月24~30日の週の集計結果によると、県内に30ある定点医療機関をこの1週間で受診した患者数は98人で、その患者数を定点医療機関の数で割った「定点当たりの報告数」は3・27人(前週1・33人)と増加。7週間ほど前まではほとんどおらず、例年よりも低い値で推移していたが、その後増加傾向になった。また、過去5年間の同じ週で定点当たりの報告数を比べると、2020年0人、19年0・97人、18年0人、17年0・2人、16年0人で、今年が最多だった。

 保健所別の定点当たりの報告数は新宮保健所管内が10人(前週2・5人)と最も多く、田辺保健所管内は前週と同じ1・75人だった。全国では2・49人(前週1・83人)だった。

 田辺保健所の担当者は、乳幼児にとってマスク着用などの感染対策が難しいことも感染の増加に影響しているのではないかと分析。「親や保育士らが対策を徹底することで防げる場合もある。周りの大人の心掛けも大切」と呼び掛けている。

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