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「龍神茶」をネットで世界に Uターンの森口さんが情報発信

インターネットで交流している外国人の名前の木札を茶の木に取り付ける森口周さん(和歌山県田辺市龍神村広井原で)
インターネットで交流している外国人の名前の木札を茶の木に取り付ける森口周さん(和歌山県田辺市龍神村広井原で)
 和歌山県田辺市龍神村で龍神茶の普及に取り組んでいる森口周さん(69)=龍神村福井=は、インターネットで世界中の茶の愛好者とつながり、情報を発信している。


 森口さんは、東京で料理店の経営や食関係のコンサルタントなどをしていたが、2011年にUターン。龍神村ではかつて各家庭で茶を栽培して飲んでいたが、過疎で茶畑が放置され、その文化が廃れてきたのを目の当たりにし、何とか継承できないかと取り組んできた。

 これまでに新たな製茶法を開発。春に摘んだ茶葉を冷凍保存することにより、年中いつでも製茶作業ができるようにした。茶葉を火を使わずに発酵させて仕上げる独自の方法も研究している。

 現在は自身の活動を「龍神茶芸(ドラゴン・ティー・アート)」と名付け、龍神村の伝統的な番茶を進化させたプーアール茶を探求している。10年の節目に当たり、これまで積み上げてきた成果を目に見える形にしようと、ホームページの作成や、茶を楽しんでもらう施設を古民家に設けるなどの計画を進めている。

 数年前からは、フェイスブックやインスタグラムなど会員制交流サイト(SNS)で龍神茶の情報を発信。フォロワーは欧州や米国、アジアなど世界中に数千人いる。海外にも日本茶の愛好者は多く、日本人より詳しい人もいるという。

 そういった人たちは、龍神村に来て茶が育つところを実際に見たり、茶を味わったりしたいという希望があるが、今はコロナ禍でそれがかなわない。そこで森口さんは、本人が龍神村に来て茶の木の前で記念撮影する代わりに、名前を手書きした木札を作って茶の木に取り付け、写真を撮って本人に送信している。

 森口さんは「龍神村には樹齢が数十年の茶の木がある。コロナ禍の今、もう一度昔から育ててきた茶に目を向けて、一服するひとときを皆さんに持ってもらいたい。これから国内でも龍神茶を広める活動に力を入れていきたい」と話している。

 森口さんのインスタグラムのアカウントは「edc6832」

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