和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

白浜を「デジタル化」 有志が企画、オンラインマップ作成へ

オンライン会議で、パソコン画面に向かってプロジェクトの内容を説明するメンバーら(白浜町で)
オンライン会議で、パソコン画面に向かってプロジェクトの内容を説明するメンバーら(白浜町で)
オンラインマップの試作版。ゲームで登場するような地図を使っている(スマートフォンから)
オンラインマップの試作版。ゲームで登場するような地図を使っている(スマートフォンから)
 白浜町の有志が、オンライン上のマップを作るプロジェクトを始めた。店舗や施設などを動画で紹介し、旅行を疑似体験できるように内容を順次、充実させて「南紀白浜のデジタル化」「自宅でも楽しめる南紀白浜」を目指す。

コロナ機に始動


 白浜の未来を語り合うオンライン会議「ビジョンミーティング」を毎月開いている「南紀白浜みらい創造委員会」から生まれたプロジェクトチーム(壷田一平リーダー)が取り組む。職業や年代もさまざまの14人がメンバーになっている。

 発起人は、町内で飲食店を営む本田景士さん(38)。新型コロナウイルスの影響で町内の事業者が大打撃を受けていることもあり、春先から温めていた構想だったという。

 オンラインマップでは、バスに乗って町内を周遊したり、観光名所や店舗を紹介したりする動画を見られるようにする。サイクリングやスキューバダイビングなどを体験しているような映像も載せたいと考えている。本田さんは「見る人にそれぞれの空気感が伝わり、実際に行ってみたいと思ってもらえるようにしていきたい」と話す。

 マップの内容を充実させる案では、昔の写真を使って白浜の数十年前の風景を楽しめるようにする企画もある。災害に備え、避難所や防災に関する情報を伝える「防災マップ」作りも目指す。

 チームは「観光に特化せず、買い物や、防災や医療に関する情報も含め、バーチャル(仮想)白浜をつくっていきたい」と意気込んでいる。

 メンバーは16日、町内で集まり、ビジョンミーティングの参加者に企画の始動を報告。活動資金をインターネット上で募るクラウドファンディング(CF)を始めた。井澗誠町長も駆け付けて「このプロジェクトを機に、新たな観光の形を推進したい」とエールを送っていた。

 CFでは第1目標を150万円に設定。返礼は日帰りツアーや人気料理の詰め合わせのほか、オンラインでのおかみ体験など多彩に用意した(金額は3千円~15万円)。

 午後8時の受け付け開始直後に10万円の寄付が入ると、メンバーは「やったー」「すごいね」と喜んだ。18日正午現在、寄付は33人からの計48万4千円になっている。

 オンラインマップ試作版は(https://online-resort.jp/)、CFページは(https://readyfor.jp/projects/shirahama-online-resort)から。