和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

ホテル駐車場で車中泊 コロナ禍の新しい旅提案

車中泊用の駐車場スペース。キャンピングカーが止められるよう広く確保している(和歌山県田辺市目良で)
車中泊用の駐車場スペース。キャンピングカーが止められるよう広く確保している(和歌山県田辺市目良で)
 ホテル駐車場を活用し、乗用車やキャンピングカーで車中泊を楽しめる新サービスを、和歌山県田辺市目良の「かんぽの宿紀伊田辺」が始めた。新型コロナウイルスの感染拡大が心配される中でも「3密(密閉、密集、密接)」を避けて移動、宿泊しながら自然の中で余暇を過ごす新しい旅のスタイルとして提案している。

 宿を運営する日本郵政(東京)が、日本カーツーリズム推進協会(同)と連携して車中泊サービス「くるまパーク」として取り組んでいる。

 かんぽの宿は全国33カ所で温泉ホテルを展開。いずれも市街地から離れた立地で、広い駐車場がある。6月に先行して恵那(岐阜)や鳥羽(三重)、淡路島(兵庫)など9施設で新サービスを始めたところ、8月末までに約160人の利用があった。

 利用者にとっては安価に安心して車中泊ができる。コロナ禍で宿泊者が減少している施設にとっても、空いた駐車場を活用できる利点がある。

 「紀伊田辺」の杉浦肇支配人は「近くの天神崎を訪れる観光客にもキャンピングカーが目立つようになってきた。車中泊は自然との触れ合いを楽しみにしている紀南の客層と相性がいいと判断した。ペット連れにも気兼ねなく泊まってもらえる」と期待する。

 基本料金は1回1台当たり2千円。利用者は館内の温泉施設(有料)、レストラン、トイレなどが利用できる。利用時間は午前10時から24時間。かんぽの宿公式サイトから予約する。サービス利用には「くるま旅クラブ会員」の登録が必要(有料)。

 日本RV協会の「キャンピングカー白書2020」によると、国内キャンピングカーの保有台数は前年比6・1%増の11万9400台で、2005年から右肩上がりで増えている。乗用車も含め、車中泊の人気は高まっており、道の駅の駐車場などに公認の車中泊スペースを設けた「RVパーク」の利用も増えているという。